先日、久々に学会で発表したのですが、そのあとの懇親会で数人の先生から
「先生の発表、いっつも面白くて勉強になるわ〜。先生の言うてる通りにウォシュレットで洗うのやめや〜って言うて、患者さんを指導して治療したら、みんな治ってしまうねん。今までずっと通ってきてた患者が来んようになって、商売、あがったりや〜(笑)」
と言われました。
とても喜ばしいことですが、医療経営にとってはマイナスです
だって、今まで調子が悪くなって、しょっちゅう受診していた患者さんが治ってしまうと受診しなくなりますから
つまり、
ぶっちゃけ言うと、
売り上げのことを考えたら、
治らずにずっとダラダラ通ってくれたり、何度も調子が悪くなって、その都度、受診してくれるリピーター患者を増やす方が儲かります
一人の患者さんに何度も通ってもらう方が売り上げは上がります
それ、考えたら当たり前。
待合室には人が溢れるので一見、流行っているように見えるしね
高血圧や糖尿病、リウマチなど、ずーっと定期的に通院が必要な病気と違って、痔は治ったら通院が終わります。
治ったら患者さん、来ないんです。
だからリピーターが少ないほど治療成績の良い肛門科ってことになりますが、これじゃあ正直、儲かりません
医療って色々な矛盾を抱えてますね。
そもそも困っている人を助けたいと思って医者になりましたが、困っている人が困らなくなったら食いはぐれてしまう職業。
所詮、人の不幸がメシの種とも言える
大阪肛門科診療所は自由診療なので診療の単価は自分たちで決められますが、保険診療だと値段は国が決めています。
単価が安いとたくさん数をこなさないといけないし、患者さんが治ることは嬉しいけれど、
治る=来なくなる⇒収入が減る
という構図があるため、まじめに良心的にやっている先生ほど儲かっていません
それは自由診療といえど私たちも同じこと。
仲良くさせて頂いている肛門科の先生の一人が
「肛門科ってさ、医者としての良心や、人としての生き様を試される診療科だよね。」
と言われたのですが、今でも心にずっと残っています。
そして肛門医療業界の矛盾と闇を嘆く私に
「先生、大丈夫。ちゃんとお天道様が見てるから!」
と笑顔で言われたことも生涯忘れられないと思います。
学会で発表して
私がやっている活動や伝えていることって、患者さんを幸せにするかもしれないけど、医師を不幸せにしてるのかもしれない
って思いました。
でも、やっぱりやめられない。
だって医療は患者さんを幸せにしてなんぼだと思うから。
治って私の手を離れることは喜ばしいことだし、通院が終わることも当たり前だと思うから。
こんなだから医者の中で浮いちゃうんだろうなぁ・・・
ちょっと色々と思ったことを書いてみました。。。
すみません。。。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
右側がラブです
ドッグランでの一コマ
犬の挨拶はお尻でするんですよ
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