昨日のブログで肛門が狭くなる原因について書いたところ、宮城県にお住まいの女性から以下のような相談とお願いメールが診療所の問い合わせフォームに届きました↓
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
切れ痔で肛門科に受診した際、傷に触れないように軟らかい便を出すようにとマグネシウムを処方されてました。
長年服用してましたが、みのり先生のブログを見て、マグネシウムをやめました。もちろんウォッシュレットもやめました。
みのり先生のブログに出会わなかったら、もっと狭い肛門になってたかもしれません。
本日のブログを見て、肛門が狭くなる原因は沢山あるのだなと思いました。
それで、みのり先生のブログに時々出てきてましたが、患者さんに勧めてる肛門マッサージというのを教えていただければ助かります。
自分でワセリンを付けてやってみたのですが、正しいやり方なのか分からないので、ブログででも紹介してくれると助かります。
よろしくお願いします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
私が外来で患者さんに説明している「肛門マッサージ」「肛門ストレッチ」というのは医学的に言うと「フィンガーブジー」のことです。
指で肛門を広げることですね。
主に利き手の人差し指を使うことが多いですが、患者さんによっては中指を使うこともあります。
また伸ばしたい部位が左側の場合は左手の指を使います。
うちの診療所ではSザルベという手作り軟膏を使って行います。
白色ワセリンでも代用できますが、傷がある場合はSザルベの方がダンゼン効果があります。
その理由は皮膚や粘膜に付いたら、なかなか剥がれ落ちないからです。
傷にびたっと貼り付き、拭いても取れないので傷の強力な保護剤。
切れ痔(裂肛)の痛みが楽になりますし、次に便を出す時にもツルッと出るから出しやすいと患者さんから言われます。
使い捨ての手袋をして肛門の中に塗ってもらいます。
指をどれくらいまで挿入するかは傷が出来ている部位と狭窄のレベルの深さにもよりますが、だいたい第2関節(指の一番太い関節ですね)まで入れてもらうことが多いです。
どの部位を、どれくらいの強さで、どれくらいの時間、どのように伸ばすのかは、狭窄の程度、レベル、上皮性か筋性かによって違ってくるため、患者さん一人一人、具体的に指導しています。
指を挿入するときの姿勢も一人一人違うんですよ
腕の長さも違うし、体の柔軟性によっても、うまく指が肛門に挿入できない患者さんもおられるので、診察室で具体的に、場合によっては恥ずかしい格好をして指導しています
これも女同士だからこそ出来ること
とてもじゃないですが、ブログで書けません
それにね
一番重要なことは
本当に肛門が狭いかどうかという診断!
ここなんですよ。
狭くもないのに肛門マッサージや肛門ストレッチをしたら、肛門が広がりすぎて、しまりがゆるくなってしまうかもしれません
だから診察してみないと肛門が狭いかどうかも分からないし、肛門マッサージが必要かどうかも分からないのです。
ネットでの情報は便利ですが、自分の症状を当てはめて自己治療しても、診断が出来ていなければ誤った方向に進んでしまいます。
だから受診して下さいとしか言えない
私の外来の患者さんであれば実際に診察しているので状態が把握できていますし、皆さん、自己管理がうまく出来ているので、電話やメールで問い合わせがあっても、ある程度答えられることが多いのですが、全く診察したこともない方からの相談については難しいです
医療は占いではないので、見ても(診ても)いない人に対して答えることは親切ではなく不誠実だと思うのです
いただいたメールの答えになっていませんが、今の私に出来ることはここまでです。
肛門狭窄の診断と治療の話もブログでまとめ記事を書く予定ですので、疾患に対する知識と理解だけは提供出来ると思います。
また肛門科の医師も治療方針は様々です。
私のようにフィンガーブジーを積極的にやっている先生もおられると思いますが、おそらく少数派でしょうね
なんせ、手術治療の話ばっかりですから
大阪肛門科診療所は「手術を避ける技術」「手術をしない技術」を大切にしているため、一般的な肛門科とは違った方針でやっています。
また今までもブログで書いてきましたが、ちっとも狭くないのに「肛門狭窄」と診断されていたり、手術をすすめられている患者さんを星の数ほど診ているため、肛門科だけは専門にかかって欲しいと切に願います。
また1軒の肛門科で手術と言われてもその場で決めないことです。
他の肛門科も何軒か回ってみて違う先生の意見も聞いてみましょう。
同じお尻でも随分、診断や治療が違うのだと思われることでしょう。
肛門科を専門にしている医師を探すのに以下のブログを参考にしてみてください↓↓
診療所のセラピードッグ「ラブ」
ドッグランでの一コマ
ぱーるちゃんママが写真が趣味で
いつも撮ってくれます
クリックお願いします