その出血、切れ痔じゃなくて潰瘍性大腸炎かもしれない | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

トイレで出血したら

オシリから出血したら

皆さん「痔だ・・・」と思うようです。


でも

その出血

痔じゃなくて

潰瘍性大腸炎の可能性もあります。


実際に

私の外来に来られる

若い女性患者さんで

潰瘍性大腸炎が見つかることが

結構たくさんあるんです。



患者さんの症状を

よーく聞いたら

それだけで推測できることもあります。


そして実際に診察すると

その勘は当たります。


直腸の粘膜の手触りで分かることもありますし

肛門鏡という診察器具で分かることも多いです。


肛門鏡は

肛門を見るための診察器具ですが

直腸の粘膜も見えます。


肛門鏡から垣間見える直腸が

発赤していたり

出血していたり

粘膜が荒れていたり

何かちょっとした異常でも

見落とさないように

いつも気を付けて

奥まで見るようにしています。


この出血、オシリからじゃないと思うよ。
ちゃんと腸を調べましょう



と言うと

皆さん、ビックリされますが

ちゃんと調べないとダメです。


そして

ここが大切なのですが


調べてもらう場合は


クローン病潰瘍性大腸炎などの

炎症性腸疾患(IBD)を専門にしていて

内視鏡検査をしている先生を

ちゃんと選んで受診して下さい。


専門外の先生だと

見落とすことがあります。


私たちは肛門を専門としているので

大腸の病気を疑ったときは

専門の先生を紹介しています。


もちろん

紹介先は保険が効きます^_^;


ご安心を^_^;



ちゃんと診断してもらって

早く治療を開始しないと

病気が進行して

大腸全部が侵されてしまうことになると

本当に大変です。



放置すると

どんどん進行するので

早く見つけてあげることが大切です。


早期に発見し

適切な治療を開始すれば

進行を食い止めることが出来

寛解維持出来ることが多いです。


だけど

残念なことに

セカンドオピニオンの患者さんで

ずっと痔だと思い込んで

肛門科に通い続けていたり

中には

痔を手術すればお腹の調子が良くなる

と言われて、

痔の手術を受けてしまった患者さんまで居ます。。。


当然、痔の手術をしても

お腹の症状は良くなりません。


肛門科に通い続けている間に

おなかの症状はどんどん悪化して

困り果てて

セカンドオピニオンで

私の外来に来られた時には

クローン病や潰瘍性大腸炎が

かなり進行してしまっていたケースもありました。。。


だから

出血したら痔!

って決めつけないで

ちゃんと診断してくれる先生を探して

受診して下さいね。

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診療所のセラピードッグ「ラブ」らぶ
ラブがどれか分かりますか?
これは簡単ですねにっこり