毎日入院患者さんがおられるのではなく
月のうち1週間だけ
入院患者さんをお引き受けしています。
最近は日帰り手術が多くなってきたため
以前のように満床になることはないのですが
それでもニーズは無くなりません。
特にうちの診療所は遠方からの患者さんが多いため、宿泊施設は必要ですね。
時々、入院したら手取り足取りお世話をしてもらえると勘違いしている人がいます。
手厚い看護

というと美しいのですが
私は
この姿勢は患者さんをダメにする
と思っています。
だってね
うちの診療所は
介護施設でも老人ホームでもなければ
命に関わる重病人が入院してるわけじゃありません。
オシリがちょっと故障しただけで
皆さん元気です

ハッキリ言って病人じゃありません。
だから自分のことは自分でやってもらっています。
逆に自分のことが自分で出来ないほど体が不自由な方は、安全性の高い日帰り手術で対応しています。
もしも入院を希望されるにしても、ご家族の付き添いをお願いしています。
一人の患者さんに一人の看護師やスタッフが付くわけではないからです。
そうです。
だって誰も代わりに便を出してくれません

自分で出すしかないんです。
出せない人には
坐薬や浣腸を使うこともありますが
それも誰かにやってもらうと
退院してからが大変です。
だから自分でちゃんと便のコントロールが出来るように練習して帰ってもらっています。
そこで患者さんがかわいそうだからと
手取り足取り
排泄ケアやおしりケアをやってあげると
患者さんはその時は楽で
あ~なんて優しい看護婦さんなんだろう!
って思うかもしれませんが
それって依存を生んでるんです。
その人が居ないと困る
という状況は
患者さんの自立を妨げます。
自分が居なくても
ちゃんと出来るようにすることが
本当に親切なケアだと思うんです。
たとえその時には
患者さんから
「冷たいなあ」と思われても・・・
結局は患者さんのためになるんです。
だから入院は
お世話してもらうため
じゃなくて
排泄トレーニングをするため
にあると考えてもらったほうがいいでしょう。
依存って医療者にとっても
ある意味、心地よかったりするんですよね。
だってその場では感謝されますから。
「ありがとうございます」
って言ってもらったら
誰だって嬉しいし
自分が良いことをしたような気持ちになりますからね。
時に「私のおかげ」なんて
傲慢な気持ちになったり
患者さんが治ったことを自分の手柄にしたり
気を付けないと
知らず知らずのうちに
自分が良かれと思ってやっていることが
患者さんの依存を生んでいることがあります。
医師も看護師も
依存を生まないケアを
心がけるべきだと思います。
最終ゴールは
自分が居なくても患者さんがちゃんとやっていけるようにすること
ですから。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
犬にも依存があります
だからちゃんと自立できるように
トレーニングが必要です
でも犬は飼い主が居ないと
生きていけないという側面があります

犬にも依存があります

だからちゃんと自立できるように
トレーニングが必要です

でも犬は飼い主が居ないと
生きていけないという側面があります
