肛門に限らずですが、尖圭コンジローマの治療には様々なものがあります。
20年前、私が皮膚科医をしていた頃は液体窒素で焼く方法が一般的でした。
液体窒素って分かりますよね?
身近なものでいうとドライアイスですね。
それを液体にしたようなものです。
「焼く」と言いますが、実際には「凍らせて固める」のです。
固まった皮膚はしばらくすると水ぶくれのようになり、ボロッと剥がれます。
剥がれた皮膚の中にはウイルスが含まれているわけです。
要するに「ウイルスを死滅させている」わけではなくて、「水疱の中に閉じ込めて」剥がしてるだけなんです。
だからウイルスは死んでないんです。
生きてます。
水疱になって剥がれなかった皮膚の部分にウイルスが残ってると、また増殖してくるんです。
だから1回の施術で完治することは少なく、1~2週間おきに何度も何度も焼くわけです。
数ヶ月たっても治ってない人も多かったですね(; ;)
しかも通常は麻酔をせずに焼きます。
だから・・・むっちゃ痛いです(>_<)
しかも性器に出来ていることが多いですから、想像しただけで痛そうですよね(>_<)
しかもウイルスは死なないわけですから患部にはウイルスがいっぱい潜んでます。
だから感染力は落ちてません。
他の人にうつす可能性も大です。
当然、治療期間中は性行為禁止!
温水便座の使用も禁止です。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
犬のようちえんで「デモ犬」として
先生とトレーニング中です(*^_^*)
ちゃんとできるでしょうか・・・^_^;
犬のようちえんで「デモ犬」として
先生とトレーニング中です(*^_^*)
ちゃんとできるでしょうか・・・^_^;
数年前に尖圭コンジローマの治療に外用剤が登場しました。
ベセルナクリームです。
ただし適応は「外性器と肛門周囲のみ」です。
他の部分には塗ってはいけないことになっています。
だから肛門の中にもコンジローマがある人は治療が難しいです。
外側だけ治しても、中が治ってなかったら、また出てきます。
実際に、このクリームを塗ったけど再発を繰り返し完治しないという患者さんをたくさん診てきましたが、全例、肛門の中にもコンジローマがありました。
中のコンジローマが増殖して外にも出てくるんですね。
だからちゃんと肛門の中も治療する必要があります。
なので、肛門の中にも出来ている人にはオススメしません。
それに、結構、副作用でクリームを塗り続けることが出来なくなった人も多いです。
スッゴク痛い!(>_<)
って言われていた患者さんが多かったですね。
結局、うちの診療所で手術を受けられたのですが、
手術の方が全然痛くなかった!
って言われてました^_^;
なので、
塗り薬だから痛くない
手術は痛い
というわけでもないんですよ^_^;
どの治療を選択するのかは出来ている場所にもよりますし、医師によっても判断が分かれるでしょう。
患者さんが治療法を指定して希望されるケースもありますが、結局は医師の判断に任せることになることが多いと思います。
なかなか治らない場合は思い切って治療法を変えることも必要かもしれません。
私はというと・・・液体窒素もベセルナクリームも使いません。
手術治療オンリーです。
その理由は、皮膚科医時代の経験を通して、ウイルスを死滅させる手術のほうが確実に早く治るからです。
手術って言っても、そんな大げさなものじゃないですよ^_^;
女性の場合だと局所麻酔で日帰りで簡単に出来ます(^_^)v
コンジローマの皮疹をハサミで丁寧に切除して、電気メスやレーザーで加熱して焼くだけです。
ウイルスは熱に弱いので、焼くと死にます。
切除しただけではウイルスが生きているので、しっかり焼くんです。
それによって再発は随分減ります。
1回の手術で完治するケースもありますが、だいたい2~3回かかることが多いです。
なぜなら、尖圭コンジローマの原因ウイルスHPV(ヒトパピローマウイルス)の潜伏期間は2週間~半年。
一見、正常に見える皮膚にもウイルスが潜伏していたら、また出てくるんです。
だから治った!と思っても半年間は要注意なんです。
一旦治ったように見えても半年の間にまた新しい皮疹が出てくることがあります。
なので、出てくる度に焼くんです。
そう。
モグラたたき状態ですね^_^;
とにかく根気よくやっつけるしかありません。
だから肛門尖圭コンジローマの治療は患者さんにとっても、私たち医者にとっても根気が要るんです^_^;
見つけ次第、ひたすらしつこく焼いて行くのみです。
でも、ちゃんと治療したら完治しますよ。
治らない病気って思っている人がいますが、根気よく治療したら治ります。
もちろん感染者との性行為を繰り返してたらダメですよ^_^;
治療中は自分が他の人にうつす可能性もあるので、基本的に性行為は禁止です。
ちゃんと生活指導を守り、治療をすれば完治します(^_^)v
あなたは尖圭コンジローマの治療について知っていますか?
色々な治療法があるんですよ。
もし、いつまでたっても治らず困っているのであれば、
思い切って治療法を変えてみるのもいいかもしれません。
肛門の尖圭コンジローマは、
肛門の中にも出来ていることが多いので、
肛門科で治療するのが適切だと思います。
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