そのかゆみ、注射療法では治りませんよ | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

痔で悩んでいる人も多いですが、オシリのかゆみで悩んでいる人も多いですね。

しかも、何科を受診したら良いのか分からず、産婦人科や皮膚科、泌尿器科など、色々な診療科を回ってから私の外来に来られる方も多いです。

もちろん色々な肛門科を回って、色々な治療をされてから来られる方も多いです。

そこで、オシリのかゆみに対して内痔核の治療をされているケースがすごく多いんです(;。;)

意味分かりますか?

患者さんはオシリのかゆみで困っているのに、内痔核の治療をしてるんです。

しかも内痔核の症状は全くありません。

痔核を自覚したこともなければ(シャレじゃないですよ^_^;)、別に困っていることもないんです。

だけど「肛門の奥に小さな痔核があります」と言われてジオン注射をすすめられてるんです。

「かゆみの原因は奥にある内痔核」と説明を受けている患者さんもおられましたが、

何の説明もなく、ただ「じゃあ注射で治しましょう」と言われ、言われるがままにその場で受けてしまった人も多かったです。

当然、「かゆみがなくなる!」と期待して治療を受けられてます。

だって、なんで勇気を振り絞って肛門科を受診したのかっていうと、耐えがたいかゆみから開放されたいと思ったからですよね?

治すために医者にかかってるわけですから^_^;

だけど・・・

かゆみはちっともおさまらない!

それどころか注射の後の痛みで排便がつらい(;。;)

何のために治療を受けたのか分からない・・・

と途方に暮れている人も多いです(;。;)

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診療所のセラピードッグ「ラブ」
セラピードッグは人間になつくことが必要ですが、
他の犬とも仲良く出来なければなりません。
ラブは人も犬もどっちも大好きです♥


以前のブログでも書きましたが、ジオン注射は内痔核治療法です。

かゆみの治療法ではありません。

だから注射療法を受けてもかゆみは治りません。

もちろん、ひどい脱肛で、内痔核が飛び出して、粘液でベタベタしてかゆいというケースには痔核の治療をしたらかゆみもなくなるでしょう。

ですが、脱肛どころか、全く自覚症状のない内痔核です。

通常、かゆみの原因になるとは考えにくいです。

実際、私の外来に来られたケースは内痔核ではなく「肛門そう痒症」でした。

肛門そう痒症はジオン注射では治りません。

だから

ご自分の病気が何なのか

手術によって治せるものは何なのか

手術によって得られるメリットはあるのか


ちゃんと知った上で治療を受けて下さいね。


あなたはかゆみを治そうと思って注射療法を受けてませんか?

そのかゆみ、本当に内痔核のせいで起こってますか?

肛門そう痒症であれば、注射療法を受けても治りませんよ。