そう。痔じゃないんです。
だから「患者さん」ですらないんですけど^_^;
でも、受診した肛門科では「ひどいイボ痔なので手術が必要です」って言われてるんです。
自分では全くイボ痔の自覚症状はなく、硬い便が出て切れて血が出たので肛門科を受診したそうです。
切れ痔かなあと思っていたそうです。
初めて受診したときに出された注入軟膏と便を軟らかくする飲み薬で痛みと出血はなくなったので、「良かった!治った!」と思って2週間後受診したら、
「ひどいイボ痔が中にあります。手術が必要です。」
って言われてショックで目の前が真っ暗になったそうです。
それからというもの、毎日毎日、落ち込んで悩んだそうです。
「自分が気付いてないだけで、ひどいオシリなんだ・・・」
「自分じゃ肛門の中のことは分からないから、先生がひどい痔っていうのならそうなんだ・・・」
「手術しておかないと大変なことになるって先生が言ってたし、やっぱり手術した方がいいのかも・・・」
と夜も眠れないくらい悩み考えたそうです。
ネットで色々と調べていくうちに
「イボ痔」とは「痔核」のことで、大きくなって外に出てくると「脱肛」という状態になること、
痔核や脱肛には程度分類があって1度から4度まであること
手術適応は脱肛の3度以上であること
が分かったそうです。
そして自分は「脱肛してない」から手術は必要ないんじゃないかって疑問を持つに至ったそうです。
悩んでないで、別の肛門科を受診してみよう
と思いつき、私の外来に来られました。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
室内犬は自由に野放しさせると吠え癖がつき神経質な犬になります。
犬が家に慣れるまで、遊んでやる時以外は必ずハウスで寝かせておく習慣を付けます。
(日本アニマルセラピー協会)
室内犬は自由に野放しさせると吠え癖がつき神経質な犬になります。
犬が家に慣れるまで、遊んでやる時以外は必ずハウスで寝かせておく習慣を付けます。
(日本アニマルセラピー協会)
診察したところ、肛門の外にも中にも何もない、本当にキレイな肛門でした。
切れ痔も治っていました。
小さな内痔核すらありませんでした。
「キレイな肛門ですよ。痔じゃないので何も治療の必要がありません。」
とお伝えすると感極まって泣き出されたんです。
20代の若い女性です。
「痔で手術」って言われるのもショックですが、手術が必要なくても「痔!」って診断されるだけでとても恥ずかしく落ち込んでしまうそうです。
自分に対する自信まで無くしておられました(;。;)
だから手術が必要なくても「痔」と烙印を押されることだけでも、かなりこたえるんです(;。;)
自分は痔じゃなかったんだ・・・
と思うと、ホッとして、嬉しくて涙が出たそうです。
「痔じゃないから大丈夫!自信持って!痔って思わないでね!」
と帰り際に言ったら
「はい!ありがとうございました!」
と満面の笑みで帰って行かれました。
このようなケース、実はすごく多いんです(-_-;)
この方だけじゃありません。
週に一人くらい、正常肛門なのに手術って言われている人がセカンドオピニオンで来られています。
だから手術と言われても、少しでも疑問に感じたら色々と調べたりして情報を集めましょう。
そして別の施設を受診するのもいいでしょう。
でもね・・・
何度も言っていますが、手術するかどうか決めるのはアナタです。
医者が手術って言ったからって、「はい、分かりました」って手術を受けなくてもいいんです。
あなたは「痔」と診断されてませんか?
「手術が必要です」と言われて悩んでませんか?
もしかして痔じゃないかもしれませんよ。