と不快感と怒りを感じられた方、すみません(-_-;)
でもこれ、私の言葉じゃないんです^_^;
10年以上前に先輩開業医から言われた言葉なんです^_^;
大阪肛門病院を継承したばかりの私たち若い医者を心配して言われたんでしょうね。
お恥ずかしい話ですが、私たちが16年前、病院を継承したとき、つぶれかけてましたから^_^;
今の院長は私の主人です。
その主人の父親が、大学時代に急死し、そのあと病院を守ってくださっていた副院長先生も高齢で、主人が東京の社会保険中央総合病院で研修している時に倒れられ、ある日突然、大阪に呼び戻されました。
大阪に戻ってきた時、病院の経営状態は破綻寸前、いや破綻してました^_^;
先代の院長が亡くなってから患者数は激減し、私たちが病院に入ったときには悲惨な状況・・・。
病院を開けていても一人も患者さんが来ないという日もありました。
夜、小さな長男を抱えて眠る時に
「明日も患者さんが来なかったらどうしよう・・・。このまま夜が明けて朝が来なければいいのに・・・」
と怯えながら床についたのを今でも鮮明に覚えています。
そんな状況を心配して医療経営について色々とアドバイスしてくださったんだと思います。
徐々に患者さんが来て下さるようになり、数が増えてくると限られた診療時間内で診るには、患者さん一人にかける時間を短くしなければなりません。
そこでその時間とエネルギーのかけ方を色々とアドバイスして下さったのですが、
「金になる患者には時間をかけて、金にならない患者はさっさと診察を終えなさい。メリハリが大切!誰でも彼でも丁寧に時間をかけてたらあかん!」
というものでした^_^;
は?
意味分かります?
金になる患者とは、肛門科では「高額な手術を受けてくれる人」です。
金にならない患者とは、肛門科では「手術が必要ない人」あるいは「痔じゃない人」です。
ま、最近では手術が必要ない人にも手術って言ってる先生が多いので、全員、「金になる患者」かもしれませんが^_^;
その先生は手術が必要な人には手術の必要性とか手術の方法などを熱心に説明し、その場で手術の予約を取り付けることを目標にしておられました。
実際にそのような流れで見事に成功をおさめ、大繁盛しておられました。
そう。
世の中では、それを「成功」と呼びます。
確かに正しいです。経営的には。
経営者としては大成功でしょう。
でも医者としては失敗だと私は思っています。
決して負け惜しみじゃないですよ^_^;
なぜなら「目先の利益」にはなっても「将来の利益」にはならないからです。
そして一番大切な「患者さんの幸せ」が抜け落ちているからです。
医療の目的は「利益」ではなく「患者さんの健康と幸せ」です。
売り上げや利益は「結果」であって「目的」ではありません。
そこを間違えると「医療」ではなく「医業」となってしまいます。
医療を生業(なりわい)としてはいけないのです。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
タンバリンとカスタネットを叩くのが上手になってきました(*^_^*)
コンサートで一緒に演奏できるでしょうか♪
タンバリンとカスタネットを叩くのが上手になってきました(*^_^*)
コンサートで一緒に演奏できるでしょうか♪
話が大きくなりましたが、私は患者さんは平等だと考えています。
手術が必要な人も、手術が必要ない人も、痔じゃない人も平等です。
同じように接しています。
メリハリは・・・ないです^_^;
同じように情熱を持って「便秘」の説明をしています^_^;
それは確かに「お金にならない」経済活動かもしれません。
ですが、その人の便通には、人生にはきっと役立つと信じています。
痔は便通の結果です。
便通は生活の結果です。
だから本当の根本治療は生活を改めることなんです。
患者さんの意識を変えることなんです。
そのお手伝いをするのが医者の仕事だって思っています。
あなたは「金になる患者」ですか?
それとも「金にならない患者」ですか?
「医業」ではなく「医療」をしてくれる先生にかかっていますか?
かかることによって「オシリの健康」と「快適な生活」、そして「幸せ」を手に入れましたか?