子供が痔?! | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

うちの診療所は肛門科のみを専業としています。

だから肛門の病気以外の人は来ません^_^;

考えれば当たり前ですが、通常は「肛門科だけ」やっている施設は少ないです。

たいがい「胃腸科」や「内科」「外科」など、他の科も一緒にやっているところが多いです。

痔になる人って中高年以上と思われている人が多いようで、若い女性患者さんが待合室にたくさんおられてビックリされます。

それだけじゃなくて、下は赤ちゃんから上は100歳くらいの人まで、年齢層が幅広いです(*^_^*)

えっ?!
赤ちゃん?!
子供が痔になるの?

と驚かれる方も多いでしょう。

便秘をすれば年齢問わず痔になります。

赤ちゃんや小児は「小児科」に行くことが多いので、よほど困らない限り肛門科には来ません。

ですが、うちの診療所は結構、便秘で通院してくれている幼稚園児や小学生、中高生も多いです。

何歳までを「子供」とするかは難しいですが、医療の現場で「小児科」を受診するのは中学生までくらいなので、ここでも中学生までとしますね。

子供の痔で多いのは「切れ痔(裂肛)」です。

硬い便が出るときにオシリが切れるんです。

だから便秘の治療をすれば良くなることがほとんどです。

ところが、出した後に便が残っていると飲み薬だけでは治りません。

出始めの便だけが硬くて、
そのあとの便はやわらかい・・・


ということがずっと続くと、切れ痔を繰り返します。

あるいは治らない状態が長く続くと、切れ痔の傷に残った便が入り込んで炎症を起こしたり、化膿したりします。

そうすると肛門の縁(ふち)に皮膚の突起物が出来ます。

以前のブログにも書いた「見張りイボ」です。

これを「イボ痔が出来た-!」と大騒ぎして来院されることもあります^_^;

でもこれはイボ痔じゃありません(^_^)v

ただの皮膚の突起物なので、イボ痔の手術は要りません。

ただ、切れ痔をちゃんと治さないと、どんどん悪化して大きくなっていきます。

だから放置せず治療しましょう。

blog85

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小児科でよく出されているのが「酸化マグネシウム」です。

マグミットマグラックスなども同じ薬です。

これは便の水分を増やして便をやわらかくする飲み薬です。

便を出す薬じゃありません。

ただ単に「やわらかいウンチ」を作るお薬です。

これから作られる便を軟らかくすることは出来ますが、もう既に出来上がった便には効きません。

だからこれを飲んでも出始めだけ便が硬いのであれば、出し残している可能性大です。

排泄がちゃんとできてないんです。

便を出し切れてないんです。

だから薬を飲んでも切れ痔が治らないんです。


また肛門の周りに軟膏を塗っても、切れてるのは肛門の中なので効きません。

傷口に薬をつけないとダメですよね?

だから中に入れるタイプの「注入軟膏」や「座薬」がいいです。

でも、肛門の中が「便まみれ」だったら薬を入れてもちゃんと効きません^_^;

ずっと薬を使ってるのに治らない・・・

というケースの大部分はこれです。

便が残ってるから肛門の中が「便まみれ」なんです・・・(;。;)


また最近のお子さんは温水便座をよく使っています。

そう・・・

オシリを洗いすぎているんです(;。;)

あるいは温水便座の水圧で切れ痔を作っているケースもあります(;。;)

オシリの手入れの仕方も間違ってます。

以前のブログにも書きましたが、洗いすぎ、拭きすぎ、こすりすぎはダメです。

便がスッキリ出てたら、洗わなくても、そんなに何回も拭かなくてもオシリはキレイになります。

キレイに出来ないのは残ってるからです。

肛門に便があるからです。


便はスッキリ出し切りましょう。

これは大人も子供も同じです。

治療の第一歩は正しい排泄からです。


あなたのお子さんは排便の時に痛がっていませんか?

出血したり、拭いた紙に便が何度も付きませんか?

肛門の外側に突起物は出来ていませんか?


悪くなる前にちゃんと治療しましょうね(*^_^*)

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