ついに、美容クリニックに来てしまった高橋ツト虫さん(仮名)

 

待合室には若い女性が沢山いて、余計に自分が場違いではないかと緊張してしまっているようです。

 

もじもじとスマホを見ながら順番を待っていると、高橋さんの番号が呼ばれました。

 

ノックして診察室に入ります。

 

「こんにちは医師の佐藤です。よろしくお願いします。」

 

40代に見えるベテラン風の男性のドクターでしたので、高橋さんはなんとなく安心しました。

 

若い女医さんであったら恥ずかしくて素直に相談することは難しかったでしょう。

 

「今日は若返りのご相談と承っておりますが、今お悩みの事についてお聞かせください」

 

「ええ。まだ何も調べてなくて勢いでクリニックに来てしまったのですが、若く見えるようになりたいのです。」

 

「大丈夫ですよ。

クリニックに来ないとわからないことも多いですから。

レーザーやヒアルロン酸を使った軽い処置のものから、メスを使った手術まであります。

手術になるとダウンタイムといって、腫れたり、内出血が出たりする期間が1週間程度続くことがあります。

ただ、ダウンタイムの長い施術の方がもちろん効果が大きい傾向にあります。」

 

「なるほど。」

 

「高橋さんが今一番気になっているところはありませんか?ほうれい線ですとか。」

 

「いいえ、プロの先生から見て気になるところがあれば教えてくれたらと思います。」

 

「なるほど、どこかの部位が気になるわけではなく全体的に若く見えるようになればということですね?」

 

「はい。」

 

「わかりました。ではいくつかご提案させていただきますが、まずはヒゲ脱毛が良いかと思います。」

 

「えっ!糸リフトやヒアルロン酸ではなくヒゲ脱毛ですか??」

高橋さんは思っても見ない提案を受けてびっくりしてしまったようです。

 

次回に続く