切開二重の手術の合併症のひとつに予定外線があります。
これは厄介な合併症です
手術の後、二重の線の他にもう一つ折りたたまれる線ができ、三重になってしまうのです。
手術前でも、この人はなんとなく予定外線が出やすいだろうな!と予測がつく患者さんはいます。
そのため切開二重の手術のカウンセリングで、予定外線が出た場合の処置をあらかじめお話しすることがあります。
もし、カウンセリングで予定外線の話をされた場合、その線が出やすい原因があるのだと思ってください。
どんな人に予定外線が出やすいのでしょうか?
①挙筋の力が弱い+おでこにしわがよりやすい
②埋没歴があり、そのときに同時に脂肪取りをしていて、上眼瞼のボリュームが不足している
③もともと折れやすい線が切開線のほかにある
などの原因があります。その原因が複合していることも多いです。
予定外線は、抜糸したときに判明することが多いです。
問題は、抜糸した時に判明した予定外線が、そのまま様子を見て治るものなのか、もしくはそうではないのかです。
この判断は経験を必要とします。
私も今まで予定外線に困らされた経験を何度かしています。
そのため、抜糸のときに良くならなそうな予定外線と思ったときは素早く何らかの処置をします。
なぜなら、2-3週間してもよくならない予定外線は三重として定着してしまうからです
処置の仕方も何通りかあります。多くのドクターから勧められる方法として、FMRトレーニングというものがあります。
これは、先ほど述べた予定外線のできる原因のひとつ①挙筋の力が弱い+おでこにしわがよりやすい
に対する処置です。
おでこに皺が寄る=眉毛が上がる
眉毛が上がると、二重の食い込みが弱くなってしまいます。そのため手術後にもその癖が抜けない人に眉毛を上がらないように
指で押さえて目を開くトレーニングをさせて切開線を定着させようというものです。
わたしはどちらかというとこの方法は否定的です。この方法でよくなったこともあれば、残念ながらうまくいかなかったこともあるからです。癖というものは簡単に抜けるものではないのです。
FMRトレーニングのかわりになるものとして額のボトックスを打ってしまうのは有効です。ボトックスを打つことで強制的に眉毛を上がらなくすることができます。
以後その2につづく