大学受験を前に、私は、吐き戻しの回数が少しずつ少なくなりました。

 

 けれども、過食はなかなか止まりませんでした。

 

 

 逆に怖くて、「ダイエット」することができなくなり

 

 中学3年の時に体重38キロだった私は、高校を卒業するころには、60キロ近い体重になっていました。

 

 ぶかぶかで繕ってもらっていた制服は、今度はウエストがきつくて、ウエストを広げてもらって着用していました。

 

 拒食症の時と違って、過食症で体型が変わっても、「受験のストレスで太った」くらいにしか周囲には見えず、過食のことは、母親や家族しかわからないくらいでした。

 

 

 大学受験が終わった私は、念願だった「痩身エステ」に行くようになりました。

 

 食事への執着は残るけれど、食事を「楽しむ」ことが、少しずつできるようになりました。

 

 

 けれど、何かショックなことがあったり、ストレスがかかったりすると、過食をして吐き戻しをするクセは、なかなか治りませんでした。

 

 

 大学生になって一人暮らしになると、親の目がなくなり

 

 一人暮らしの狭い部屋で、ストレスがひどい日には、過食をして、吐き戻しをしました。

 

 

 吐き戻しするのがこわくて、食事はできるだけ、だれかとするようになりました。

 

 そして、家にひとりでいるのがこわくて、彼氏と同棲するようになりました。

 

 

 そうやって、自分なりに、なんとか摂食障害を克服したくて、工夫をしました。

 

 精神科に行くのは絶対に嫌だ、と思っていました。

 

 

 ひとりでいても、「過食」と「吐き戻し」が一切なくなったのは、24歳の頃。

 

 

 摂食障害にり患してから、10年以上が経っていました。