(270)短期間で治療できるのかというご質問 | 大阪肛門科診療所 院長 佐々木いわおブログ──『過ぎたるは及ばざるにしかずだよ、佐々木君』

大阪肛門科診療所 院長 佐々木いわおブログ──『過ぎたるは及ばざるにしかずだよ、佐々木君』

「切りすぎた肛門は元には戻せないんだよ・・」故隅越幸男先生の言葉をいつも心の真ん中に置いて「切りすぎない手術」「切らない肛門診療」を追求する肛門科専門医が、手術のこと、治療のこと、日常のことを、綴ります。


海外などにお住まいの方で

当院に受診を考えておられる方から

よく来る質問があります。

それは

「滞在期間が短いのだが、大丈夫か?」

というものです。

1週間くらい、という方が多いですね。



結果から申しあげると、

「その期間で治療が完結するかどうかは

診察するまで、或いは治療してみるまで

分かりません」

というお返事になります。



そもそも、何の病気なのか、

診察しないと分かりません。

治療法が同一でも個人差があるのに

どのような治療になるのか分からなければ

お返事はできません。



困るのが、

肛門の病気で一番よくある症状である、

痛みと腫れをおっしゃるケースです。



症状からは血栓性外痔核か肛囲膿瘍を

疑うのですが

この両者は治療方針が全然違います。



血栓性外痔核なら

当院ではほぼ全例が保存治療ですので、

初回の診察のあとは1ヶ月後とか(もっと先でも)

治った頃に受診していただく程度で済むケースが

ほとんどです。



しかし、

肛囲膿瘍は応急手当(切開)で

膿を抜いて急場をしのぎ、

落ち着くのを待ち、

一般的には後から本手術となります。

(とは言え、

当院がその常識にとらわれていないことは

ブログで紹介済みですが・・)



もちろん、

他の病気の可能性もあります。



結局

すべては診察してからと言うことになります。



医療って、

そういうモノです。



悪しからず、ご了解ください。