大阪肛門科診療所 院長 佐々木いわおブログ──『過ぎたるは及ばざるにしかずだよ、佐々木君』

大阪肛門科診療所 院長 佐々木いわおブログ──『過ぎたるは及ばざるにしかずだよ、佐々木君』

「切りすぎた肛門は元には戻せないんだよ・・」故隅越幸男先生の言葉をいつも心の真ん中に置いて「切りすぎない手術」「切らない肛門診療」を追求する肛門科専門医が、手術のこと、治療のこと、日常のことを、綴ります。

当院は希望する患者さんに
お薬を発送するサービスを
行っています。

そこで起こったこんな話。


当院の朝の業務に
振り込み確認
と言うのがあります。

お薬の発送を希望する患者さんが
振り込んできたお金を私が確認して
名義と金額を
私から事務に伝える仕事です。


例えば
トヨトミ ヒデヨシ 9200円
オダ ノブナガ 10500円
みたいにです。

ある日、
私が送ったリストの中に
フベルミ ヒカモ 27245円
と言う項目がありました。
(金額は変えてあります)

なんだろうこれは?
事務所にいるみんなは首をひねりました。

こんな名前の人知らない。
しかも、どこの国の人?
新しい先生の知り合い?
様々な憶測が飛び交いました。

翌日、私は間違いに気づき
フベルミ ヒカモさんは
患者の〇〇さんでした。
と訂正しました。

また事務所の中は騒然としました。

どうやったら〇〇さんが
フベルミ ヒカモさんになるのか?
打ち間違い??

謎は深まるばかりです。笑

最終的に
私を捕まえて尋ねようと言うことに
なりました。

そして、
何も知らずに事務所に入った私。


「先生、
このフベルミ ヒカモさんって誰ですか?
打ち間違いですか?
もしかして毎朝先生は患者さんの名前を
手で打ち込んでいるんですか?」

全員が仕事をしながらも
私が発する言葉に耳を傾けているのが
感じられます。

「いやいや。あのな。
5月の初めにマネーフォワードが
おかしくなったことがあったやろ?(※)
あの時に、それまでマネーフォワードに
自動で入ってきていた振り込みのデータが
入ってこなくなったんよ。
それまでは
マネーフォワードに入ってきたデータは
自作のプログラムで処理して、同時に
事務にファイルを共有していたんだけど
その仕組みが使えなくなっちゃって。
仕方がないから
AIを使ってプログラム組み直したんだけど、
その時にAIに
『こんな風な形式のデータです』
って提示せなあかんのやけど
患者さんの名前の入ったファイルを
渡せへんやろ?
セキュリティーの問題でさ。
仕方ないから、作ったのよ。
患者さんの名前を
ある法則に従って
自動でランダムに書き換えるプログラムを。
その結果、〇〇さんのデータは
フベルミ ヒカモさんに変換されるように
なってしまったのだ。」

みんな
説明の内容をちゃんとわかってくれたようで
その場は大爆笑となったのでした。

もちろん、
フベルミ ヒカモさん問題が再発しないように
仕組みのバグもきっちり修正しました。

おかげで事務のみんなにも共有できたので
意味のわからない名前があったら
「あれかも!」
と思ってもらえるようになったと思います。

めでたしめでたしでした。

ところで。
今回、私が慌てて作ったのは
患者さんの名前を隠す、
いわゆる「マスキング」の仕組みでした。

同じことで困っている人、
きっと他にもいるよなあ——
なんて考えていたら
こんなものを見つけました。

日本の医師のためのAIアシスタント
「MedGen Japan」、医療現場での
より安全な生成AI活用のため
個人情報マスキング機能を公開
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000129222.html

これこれ、こういうやつよ。
患者の個人情報をマスクする機能、
やっぱり必要としている人、
いるんだよね。

そしてもうひとつ。
しみじみ思ったことがあります。

以前使っていたプログラムは
私が自分で手で売って作ったものでした。
それが、今回のトラブルをきっかけに
AIが作ったプログラムに変わりました。
なんだか複雑です。
プログラミングは簡単にはなった。
でも俺が手で打って作ったあのプログラムは
もうないんだ・・
ちょっぴり寂しいと思ってしまいました。
もちろん、自分の技術では作れない
難しいプログラムも
AIならこなしてくれるので
便利ではあるのですが。




(※)マネーフォワードは
経理のためのインターネットサービス。
2026年5月初旬に
銀行のデータが自動で入らない
トラブルが発生。
復旧に約2週間から3週間かかった。
原因は
「当社が利用するソースコード管理サービス
『GitHub』への不正アクセス」
だそうです。
へー。
マネーフォワードみたいな大きな会社も
GitHubを使うんだ。仲間だ。
みたいに感じた事件でした。

ちなみに、SUNABACOのDX人材育成講座で
GitHubを使ったときの記事はこちらです。