過ぎたるは及ばざるに如(し)かず | 大阪肛門科診療所 院長 佐々木いわおブログ──『過ぎたるは及ばざるにしかずだよ、佐々木君』

大阪肛門科診療所 院長 佐々木いわおブログ──『過ぎたるは及ばざるにしかずだよ、佐々木君』

「切りすぎた肛門は元には戻せないんだよ・・」故隅越幸男先生の言葉をいつも心の真ん中に置いて「切りすぎない手術」「切らない肛門診療」を追求する肛門科専門医が、手術のこと、治療のこと、日常のことを、綴ります。

故 隅越幸男先生がおっしゃった言葉です。


ある日の手術室でのこと。

患者さんは以前どこかの施設で受けたホワイトヘッド手術の後遺症で、肛門が狭くなってしまった方です。

隅越先生は肛門を広げる手術を執刀されていました。

「普通はね、『過ぎたるは及ばざるが如し』って言うよね。

やり過ぎはまるでやり足りないのと同じくらい良くないっていう意味だよね。

でもね、肛門の手術は違うんだよ。

僕はいつも、

『過ぎたるは及ばざるに如(し)かず』って言うの。

『如(し)かず』っていうのは、及ばない、劣るって言う意味。

やり過ぎは、やり足りないのよりも劣るんだよ、もっとダメなんだよ。

取り過ぎた肛門は元に戻せないんだよ。

だから少なめに取る意識が大切なの。

もし、取り足りなければさ、後から取り足せばいいんだよ。

一回の手術で治せないのは格好悪いかも知れないけど、

それでも後から取り足すって考える方が正しいんだよ。」


頂き物の「わさびせんべい」。
見た目はソフトですが、ピリリと辛い。
一度に2枚が限界です。
隅越先生の言葉みたいです(^_^;)



今でも手術の時には隅越先生がそばに来ておっしゃっているように感じます。

過ぎたるは及ばざるに如かずだよ、佐々木君。