トヨタ自動車は3日、2012年の世界生産台数(ダイハツ工業、日野自動車を含む)を、11年実績より220万台多い、1005万台とする計画を発表した。トヨタの世界生産が、1千万台を超えるのは初めて。これまで過去最高だったリーマン・ショック前の07年(949万台)の生産台数を上回る。

 また、トヨタは2012年4~6月期連結決算で売上高が前年同期比59.9%増の5兆5015億円となり、営業利益は3531億円(前年同期は1079億円の赤字)と、黒字転換したと発表した。国内販売がエコカー補助金の効果で大きく伸びたほか、北米や新興国でも販売の好調が続いているため。
 トヨタ自動車が今年上半期(1~6月)の世界販売台数で、昨年トップの米大手ゼネラル・モーターズ(GM)を上回ったことがわかった。上半期では2年ぶりの世界一。昨年は東日本大震災による減産が響き、GMや独フォルクスワーゲン(VW)に及ばなかったが、北米などで販売を急回復して返り咲いた。

 トヨタの上半期の世界販売は、ダイハツ工業、日野自動車を含んだグループ全体で前年同期比34%増の497万台で、過去最高となった。一方、GMは同3%増の467万台となった。昨年2位の独VWは、同9%増の445万台だった。

 トヨタは国内では、エコカー補助金による新車需要増が追い風となった。海外でも、震災やタイの洪水などで必要な台数を生産できずに売り逃した昨年の反動もあり、北米やアジアなどで軒並み販売を伸ばした。

 自動車大手8社は25日、2012年上半期(1~6月)の生産・輸出実績を発表した。国内生産・海外生産をあわせた世界生産台数は、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、スズキ、富士重工業の5社が上半期として過去最高となった。

 米国や新興国での好調な販売を背景に、海外生産は7社が前年同期を上回った。トヨタ、日産など5社が過去最高を更新したが、マツダは中国の販売不振や、モデル末期の「マツダ6(日本名アテンザ)」の生産減少が響いて3期ぶりの前年割れとなった。

 国内生産も、国内販売が振るわなかった三菱自動車を除く7社が前年同期の実績を大幅に上回った。ダイハツ工業と富士重は過去最高を更新。エコカー補助金が追い風となり、昨年の東日本大震災の反動増も大きかった。