自動車大手は29日、7月の生産・輸出実績を発表した。8社の国内生産の合計は87万8996台。政府のエコカー補助金による販売増などで、前年同月に比べ17.2%増えた。前年を上回ったのは10カ月連続。

 補助金効果で、ハイブリッド車や軽自動車が好調だったトヨタ自動車、ホンダ、スズキ、ダイハツ工業は2ケタの増加。富士重工業も北米向け輸出が好調で、約5割増だった。

 海外生産の8社合計は同24.9%増の121万9365台。トヨタが北米や欧州、アジアなど全地域で増やすなど、新興国市場の伸びを受けて6社が前年実績を上回った。インドのマネサール工場で工員による暴動が起きたスズキは、工場閉鎖による操業停止が響いて減産を強いられた。同工場は7月に約1万5千台の減産となり、インドの生産台数は同14%減の7万6千台にとどまった。工場は21日に操業を一部再開した。

 一方、輸出は6社がマイナス。全体でも同1.9%増の38万9232台にとどまった。社によっては生産の海外シフトが進んでいるためだ。

 経済産業省資源エネルギー庁が22日発表した「全国のレギュラーガソリン価格」(20日時点)は1リットル=143.8円になり、先週より2.8円値上がりした。2週続けての値上がり。原油価格が上昇しているため、すべての都道府県で値上がりした。

 原油の国際指標である米国産WTI先物価格は、6月下旬の1バレル=77ドル台から上がり始め、8月21日には96ドル台になっている。国内では販売不振もあり、ガソリンスタンドが多い「激戦区」を中心にガソリン価格に反映させる動きが遅れていた。だが、給油が多くなるお盆の時期を迎え、一気に値上げが進んだ。

 トヨタ自動車は9日、ブラジル3カ所目となるソロカバ工場(サンパウロ州)の開所式を開いた。世界4位の自動車市場のブラジルだが、トヨタのシェアは3%未満。9月から新工場で低価格小型車「エティオス」の本格生産を始め、高いシェアを持つ欧米メーカーの追い上げにかかる。

 新工場の投資額は約6億ドル(約470億円)で、新たに約1500人を雇用する。年間生産能力は7万台だが、売れ行きをみながら、生産能力を広げる。現在の敷地で年産40万台規模までは増やせるという。

 ピメンテル開発商工相らも出席した式典で、豊田章男社長は「2年後のサッカーW杯や次の五輪開催もあり、ブラジル経済は間違いなく大きく成長する」と強調。現地法人の中西俊一社長は「10年以内にブラジル市場でメーンプレーヤーになる」と抱負を語った。