トヨタ自動車は3日、ダイハツ工業と日野自動車を含むグループの2012年世界販売について、前年比21%増の958万台を計画していると発表した。実現すればリーマン・ショック前の07年(937万台)を上回り過去最高となる。

 メーカー別での内訳は、トヨタが21%増の858万台、ダイハツが17%増の85万台、日野が23%増の15万台。国内外の内訳は、国内が30%増の232万台、海外が18%増の726万台。

 11年は大震災とタイの洪水の影響で生産が滞り、グループの世界販売は前年比6%減の795万台にとどまった。10年まで3年守った首位を、米ゼネラル・モーターズに奪われ、独フォルクスワーゲン、日産自動車・仏ルノーグループ(ロシアのアフトバスを含む)に次ぐ4位だった。トヨタは12年に巻き返しを目指す。
 トヨタ自動車は2日、トヨタブランドとしては13年ぶりの新型スポーツカー「86(ハチロク)」(排気量2リットル)を4月6日に売り出すと発表した。税込み199万円から。レクサス店を除く4系列の全販売店で、月1千台の販売を目指す。

 千葉市内で発表会に臨んだ豊田章男社長は、「クルマ好きがいる限り、スポーツカーはなくならない。かつて楽しんだ50歳代はもちろん、IT世代にも、ぜひ乗ってほしい」と話した。

 取扱店のうち全国238店に、専門スタッフが対応する「AREA(エリア)86」を設け「ファンのたまり場」とする。交流サイトもつくるほか、「86」のマークが入った時計や靴などのグッズも各分野の著名ブランドと組んで売る。

 「86」は共同で開発した富士重工業の群馬製作所本工場(群馬県太田市)でつくる。欧米や中国などでも順次発売していく。
 2011年の自動車(乗用車、トラック、バスの合計)の国内生産台数は前年比12.8%減の839万8654台で、最近30年間ではリーマン・ショック後の09年(793万台)に次ぐ低水準となった。東日本大震災やタイの洪水被害でメーカーの減産が相次いだため。下げ幅も、統計を取り始めた1966年以降、09年(31.5%減)に次いで2番目に大きかった。

 日本自動車工業会が31日発表した。国内生産が前年より減るのは2年ぶり。1千万台割れは3年連続となる。内訳は、乗用車が13.9%減の715万台、トラックは6.1%減の113万台。乗用車の下げ幅も過去2番目に大きかった。

 11年の輸出台数は7.8%減の446万4413台で、2年ぶりの減少。メーカーの減産に歴史的な円高が重なり、各社が為替の影響を受けにくい海外での現地生産を進めた。

 輸出先を地域別にみると、北米8.2%減、中南米9.6%減、中近東28.1%減と軒並み減少。前年を上回ったのは、需要が旺盛なロシアを含む欧州(6.3%増)だけだった。