「なんで・・・玉章様・・・カハッ・・・」
「ワシら・・・仲間じゃねーのかい・・・」
「なんで・・・ワシらも一緒に・・・斬るんですかい・・・」
「仲間?」
ぐしゃっと切り倒された仲間の妖怪の頭を踏みつぶしながら、瑚々はせせら笑った。「笑わせてくれるなよ、負け犬ども。お前たちはただのコマ他ならない・・・」
あの後、玉章はもぐりこんだ敵だけでなく、取り押さえていた仲間までも斬りつけた。
その様子を瑚々以外の者たちは唖然として見ていた。
強い奴しかいらない、そう玉章は吐き捨てるように言った。きみらはコマなんだから、と。
今までこの状況を見ていた四国八十八鬼夜行の幹部の一人、針女は何が起こったか―――理解できなかった。
仲間を微塵の躊躇もなく斬りつけた玉章の行動も、それを見てほくそ笑む瑚々の姿も、理解できなかった。
「これが・・・我々の大将」―――なぜだ・・・なぜ私はこの二人についてきた・・・?そう自問した。
「とどめはささぬ」血がこびりついた刀を手で撫でながら玉章は笑みを浮かべた。
「ホンの少しの命だけ・・・心が折れれば消えてしまうほどの命を残していたぶろう」
そう言って、玉章が牛頭丸に刀を振りかざしたその時、外からやってくる影に気付いて瑚々が叫んだ。
「玉章!」
同時に窓が砕け散り、三人の天狗が黒い翼をはばたかせながら姿を現した。
三人のうち二人が密偵隊を抱き上げ、もう一人は錫杖で玉章に応戦した。
天狗の攻撃を‘覇者の証’で受け流しながら、玉章はすっと目を細めた。
「お前たち―――奴良リクオの命令か・・・?」
鴉天狗は錫杖を構えなおした。「言う必要はない。ここは奴良組のシマだ―――」
「へぇ」
一歩前に出た瑚々の口元がおもしろそうに弧を描いた。「そういうの、嫌いじゃないわ」
三人は不敵な笑みを浮かべている瑚々を訝しげに一瞥した後、ビルの窓から夜の街へ姿をくらました。
「待て。放っておけ」それを追いかけようとする夜雀を玉章がとめた。「瑚々がまた何か思いついたようだ」そう言ってニヤリと微笑む。
玉章の視線を追うと、笑みを浮かべた瑚々が唇をつまみながら窓の外を見つめていた。
振り返り、玉章を見る。「携帯貸してくれる?」
玉章がポケットから携帯を差し出すと、瑚々は何も言わず、電話番号をプッシュした。
「瑚々様、一体何を―――」
犬鳳凰が言いかけたが、鋭い紫色の瞳で睨まれ、慌てて口を閉ざした。
瑚々は長い髪をかきあげて、携帯を耳に当てた。
その口元には、歪んだ笑みが浮かんでいた。
花嫁の計画。
あとがき:なんか適当、、、まぁ、仕方あるまい(笑)