「奴良組へ行くわ」
部屋に戻ると出し抜けに瑚々が言った。
復讐に燃えていて、今にも誰かを殺しそうな勢いだった。許可なく妖力を奪われ、しかも本来の力が戻るまでかなりの時間がかかるため腹が立っているのだろう。しかし玉章が自分の妖力を与えようとすると、断固拒否した。
「落ち着け、瑚々」
瑚々の剣幕に怯える子犬を宥めながら、玉章が辛抱強く言った。
玉章でさえ、これほど怒った瑚々を見るのは犬神の件以来、初めてだった。まして普段の瑚々はめったに感情を表に出さないのに。
「それに何のために奴良組へ行く?あの男と何の関係があるんだ?」
「関係ならある」
瑚々はクローゼットから服を取り出しながら素早く答えた。「あの男は関東の妖怪。四国まで来て私を襲うぐらいなんだから、関東でもそれなりのことをしてるはず。だけど、自分の島で勝手な真似をあの奴良組が許すわけない。奴良組と対峙している可能性も高いし、彼らなら事情を知っているはず。それに」
瑚々はローブを脱いだ。雪のように白い肌に、炎のように赤い髪がよく映えていた。「彼の一部は奴良組に潜伏している」
どんなに感情に流されていても、その頭の早さは変わらないようだ。どんな細かなことも見逃さず、全てを考慮して結論を導く。
玉章はふっと笑みを浮かべ、瑚々の背後に近づき、そのむき出しの肩に唇を当てた。「きみの好きなようにすればいい。僕は口を出さない。だがまたあの男が君を傷つけようとしたら、この玉章が全力で君を守ろう。それに」
玉章は懐から一通の手紙を取り出した。そこの差出人名には、奴良リクオと書かれていた。
「ちょうど招待状も受け取っているからね」
瑚々はくるりと振り返って、玉章の首に腕を回し指を組んだ。「・・・ねぇ。私があなたと一番いて良かったと思うのはどんな時だと思う?」
玉章が首を傾げると瑚々はこつん、と彼と額を合わせた。「あなたは私が求める時に与えてくれるから。それって、簡単そうにみえて、とても難しいことよ」
部屋に戻ると出し抜けに瑚々が言った。
復讐に燃えていて、今にも誰かを殺しそうな勢いだった。許可なく妖力を奪われ、しかも本来の力が戻るまでかなりの時間がかかるため腹が立っているのだろう。しかし玉章が自分の妖力を与えようとすると、断固拒否した。
「落ち着け、瑚々」
瑚々の剣幕に怯える子犬を宥めながら、玉章が辛抱強く言った。
玉章でさえ、これほど怒った瑚々を見るのは犬神の件以来、初めてだった。まして普段の瑚々はめったに感情を表に出さないのに。
「それに何のために奴良組へ行く?あの男と何の関係があるんだ?」
「関係ならある」
瑚々はクローゼットから服を取り出しながら素早く答えた。「あの男は関東の妖怪。四国まで来て私を襲うぐらいなんだから、関東でもそれなりのことをしてるはず。だけど、自分の島で勝手な真似をあの奴良組が許すわけない。奴良組と対峙している可能性も高いし、彼らなら事情を知っているはず。それに」
瑚々はローブを脱いだ。雪のように白い肌に、炎のように赤い髪がよく映えていた。「彼の一部は奴良組に潜伏している」
どんなに感情に流されていても、その頭の早さは変わらないようだ。どんな細かなことも見逃さず、全てを考慮して結論を導く。
玉章はふっと笑みを浮かべ、瑚々の背後に近づき、そのむき出しの肩に唇を当てた。「きみの好きなようにすればいい。僕は口を出さない。だがまたあの男が君を傷つけようとしたら、この玉章が全力で君を守ろう。それに」
玉章は懐から一通の手紙を取り出した。そこの差出人名には、奴良リクオと書かれていた。
「ちょうど招待状も受け取っているからね」
瑚々はくるりと振り返って、玉章の首に腕を回し指を組んだ。「・・・ねぇ。私があなたと一番いて良かったと思うのはどんな時だと思う?」
玉章が首を傾げると瑚々はこつん、と彼と額を合わせた。「あなたは私が求める時に与えてくれるから。それって、簡単そうにみえて、とても難しいことよ」
