ユミの実家から車で15分の距離にある大きな書店に来た
出産・育児のコーナーには名付けの本が30冊程度あった
名前の画数で選ぶものがほとんどだったが
呼び名やイメージから選ぶものもあった
オレは画数のものを選び
ユミは呼び名やイメージのものを選んだ
夏休みに入ったばかりなのか特設コーナーには
小中学生向けの読書感想文の課題図書とか
夏休みの自由研究に関する本が山積みされていた
書店内は親子連れの客が多くて
オレも将来ああいう風になるんだろうなあってボンヤリ考えていた
ユミも全く同じことを考えていたらしく
ユミ
れいじ!私達もああいう親子連れになるんだね!頑張ってねパパ!
れいじ
アハハ…まかせてよママ。
くったくなく笑うユミの笑顔を見て
やっぱりユミのところに戻らなければと思った
レジの近くには様々な週刊誌が置いてあり
ふと女性誌が目に止まった
雑誌の表紙には、"不倫"、"浮気" の文字が踊るものがあった
ほんの少しだけヨウコさんのカラダが浮かび上がる
ユミ
どうしたのれいじ?なんかコワイ顔してるよ。
オレ
エッ!なんでもないよ。女性誌の表紙見てたら刺激的なタイトルがあるなぁって思ってサ。
ユミ
なんか世の中、浮気とか不倫とか多いよね。
オレ
そうだね…
ユミ
私の中学の時の同級生がね…妊娠中にダンナさんが不倫してね…
オレ
そうなんだ…
ユミ
ダンナさんの不倫相手も結婚してる人でね…両方の家庭にバレちゃったみたいで、凄い修羅場になったんだって…
オレ
なんか怖い話しだね…
ユミ
その先の話しがあってね…結局、同級生のダンナさんと不倫相手の奥さんは駆け落ちしちゃって消息不明なんだって。
オレ
エッ!そうなんだ…同級生の人はどうなったの?
ユミ
一時、精神的におかしくなったんだけど…今はシングルマザーで頑張ってるって聞いたよ。
オレ
そうなんだ…
ユミが何故かオレをチラッと見た
オレはユミの視線に気がつき目をそらさなかった
オレ
どうしたのユミ?
ユミ
れいじはそんなコトしないよね?絶対しないよね?
オレ
するわけないだろ…そんなコト…
ユミ
私は妊娠中だし…今私達は離れて暮らしてるし…れいじは"独身"みたいなものだし…むこうでナニしてるのかわかんないし…私…心配で…
オレ
大丈夫だよ!ユミの心配するようなコトは何もないよ。毎日遅くまで仕事してるし、土日は洗濯してるか掃除してるか、なにもなければ寝てるか、ビデオ見てるぐらいだよ。それにオレなんかに声かけてくる女の人なんていないよ。
ユミ
わかんないでしょ!れいじは誰にでも優しいから!他人からなにか頼まれてもだいたい断らずに引き受けちゃうでしょ!それに困ってる人とか見るとほっとけない性格じゃない!まあ、そこがれいじのイイトコでもあるんだけどね。
オレ
アハハ…オレってお人好しだから…
ユミ
あのね!特に恋愛相談してくるようなオンナは絶対れいじのコト狙ってるんだから本当に気をつけてね!
オレ
アハハ!だからぁ、ソンナオンナノヒトハオレノマワリニハイナイカラ…
ユミと話しをしながらもヨウコさんとの先週末の出来事が頭の中から浮かんでは消えた…