オレ
エッ⁈…奥サン、実家に…なにがあったんだ?
後輩クン
………
オレ
…(やっぱり…そういうことか…)
後輩クン
…先輩…先輩は気づいてたんスか?
オレ
…⁈…エッ⁈…なにを…
後輩クン
…オレの奥サンのコトッス…
オレ
………
後輩クン
…やっぱり、先輩は見抜いてたんスネ…
オレ
…イヤ…ソノ…スマン…
後輩クン
先輩…先輩が謝るコトじゃナイッス…
オレ
…アノ…後輩クン…いったいナニがあったんだ?
後輩クン
…………
オレ
…言えないことなら、無理に言う必要はないよ…
長い沈黙のあと、後輩クンが絞りだすようにつぶやいた
後輩クン
……奥サン……自分から、私は浮気してるって!……
……もう……オレとは一緒に居られないって……
後輩クンの眼から涙がボロボロ落ちてきて…肩を震わせ声を殺して泣きだした…
オレはどうすることもできずに、ただ、後輩クンが泣き止むのを待ってた…
後輩クン
…なんで…なんで…なんで…
すると、突然、後輩クンが自分で自分の顔を殴りだした…オレは慌てて後輩クンを止めた…
オレ
落ち着け!落ち着けって!
後輩クン
スンマセン…スンマセン…
後輩クンは小さく丸くなって頭を下げる…
オレは持ってきた缶ビールを開け、後輩クンに差し出した…
後輩クンは差し出されたビールをじっと見つめたあと、一気に飲み干した…
オレもそれを見て缶ビールのフタを開け、喉を潤した…
後輩クンは、フーッと大きく息を吐いて虚に宙を見ていた…
オレは2本目の缶ビールのフタを開け、後輩クンに差し出した…
後輩クンは差し出された缶ビールを半分程飲んだところで、語りだした…
異動があった次の週、奥サンのジムの日だったッス…どんな料理作ったら奥サン喜ぶのカナ〜なんて考えてたッス…次の日の朝、奥サン帰ってきて、シャワー浴びて寝たッス…
料理のコトばかり考えてたんスが、そういえば家の片づけもしばらくできてなかったコト思いだしたッス…異動前に先輩と仕事してた頃は忙しくって、家に帰ってもほぼ寝るだけだったもんスから、オレの家事分担のコトまで奥サンがやってくれてたっス…今まで奥サンに申し訳ないって思って、その日は寝てる奥サン起こさないように、できる範囲で掃除と片づけしたッス…
…その後、買い物行って、料理して、あと少しで完成ってところで奥サン起きてきたッス…
奥サンキョトンとしてたから、リビングで座っててもらって…晩ゴハン完成したんで奥サンをテーブルに呼んだら、奥サン、オレの作った料理見て固まって…そんなに喜んでもらえてるんだっ!て思って、オレも嬉しくなったッス!
なんか、奥サン黙って食べてたもんスから…"口に合わなかったカナ?"って聞いたら、首を左右に振って、"スゴく美味しいよ!ありがとう!"って涙ぐみながら言ってくれたッス!奥サンの一言でオレもグッときたッスけど、"ずーっと忙しくてあんまり相手にしてなかったし、家のコト任せっぱなしでゴメン!しばらくは早く帰れるし、コレからはオレができるコトはなんでもするから!"って言ったんスけど…嫁サンは俯きながら黙って晩ゴハン食べたッス…食べ終わっても、先輩の言われたとおりに後片付けも全部オレがやったッス…
それから、オレが早く帰れる日の方が多かったもんスから、家のコトでオレができるコトはオレがやったッス…やっぱり、お互い働いてるし、助けあって、向きあって、いたわりあって…って思ってたんスけど…
なんか、奥サンはチョットづつ、暗い顔見せるようになってったッス…どーしたんだろう?って心配になっちゃって…声かけても"大丈夫、なんでもないの"って…そんなんスから、オレから夜のほうは全然誘えなかったッス…
オレの晩ゴハン作りも3回目だなあって思った土曜日の朝、奥サン帰ってこなかったッス…ヘンだなぁ…OLさん、お休みで一緒に出かけてるのカナなんて思ってたんッス…なら、ジャマしちゃ悪いんで、"今日はOLさんとお出かけカナ?楽しんできてね!"ってメールして、洗濯したり、風呂のカビ取りしたり、オレのワイシャツにアイロンかけたりしてたッス…午後3時過ぎてもメールの返信ないんで、帰る時間知らせてね!ってメールして、買い物して、晩ゴハン作って待ってても、奥サン帰ってこないし、さすがに心配になって電話してもメールしても返事がないッス…
で、奥サンやっと21時頃帰ってきて…でも…なんかやつれてて…目も真っ赤に腫れてて…"どーしたの?大丈夫?"って声かけても、奥サンはソファーに座ってうなだれたまま動かないし…オレは、"ゴハン食べれる?大丈夫?"って声かけたら、奥サン、急に泣きながら、"なんで…なんでっ!なんで優しくするの?なんで家事してくれるの?なんで私が朝帰りした日に晩ゴハン作るの?なんなの?なんか知ってるの?イヤミなの?私が浮気してるの知っててイジワルしてるの‼︎" って…