さて、その正体はいかに。解答編です。
問題編はこちら。


グラム染色では完全にFusobacteriumだと思われたわけですが、
コロニーがもやもや広がっててなんかフゾのコロニーと違う気がする、と検査室からは言われておりました・・・。
今回分離された菌は、
Capnocytophaga ochraceaでした。
Capnocytophaga canimorsusはイヌやネコに噛まれた後などに
致死的な敗血症を起こすことで有名ですが、
Capnocytophaga ochraceaはヒトの口腔内に常在しており、
歯周病などの原因となる菌のようです。
きっと、歯医者の世界では有名な菌なのでしょうが、
僕は当然、知りませんでした(キリッ)。
まず、どう読むんだ。
カプノサイトファーガ・オクラセア・・・。

ところで、
FusobacteriumとCapnocytophagaは見た目が大変似ておりますが、
前者は完全な偏性嫌気性菌でインドールテスト陽性、
後者は微好気環境で増殖可能、インドールテストは陰性だそうです。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJM199905133401916
彼ら二人は仲良しのようで、いっしょに協力してネバネバ液を作り、
わたしや彼のように歯ブラシをマメにしない人間をいじめてくるようです。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1075996412000042
日常診療でも意外と聞きなれない菌がみつかるもんですね。