わたしはポイントカードが嫌いだ。

支払いの際にカードを出してレジの方に渡すのも、何ポイント貯まったか調べるのも、貯まったポイントを幾ら分使うか計算するのも嫌。面倒くさい。

その店ではお金として換算されるからお得と言えばお得なんだろうが、「いつかお金として使うためにわざわざポイントを貯めていく」事がものっそい面倒くさい。ゲローゲローゲロー


ネットショッピングで楽天のポイントが知らぬ間に貯まってて、次の買い物で使えた!みたいなのは自動だし手間がかからないので素直に嬉しいが、現実世界では「貯める」行為自体の負担がデカいため、



世界中のポイントカードが殲滅すれば良い



と本気で思っている。



片や、夫のメガネ氏はポイントカード推進派で、行く先々の店でそれぞれのカードにポイントを貯めて行くことに喜びを覚えるタイプ。

それはそれで好きにしてくれたらどうでも良いんだが、食材の買い物の大方を奥さんが担当しているであろう多くの一般家庭と違い、うちの場合メガネ氏が買い物に出る事が多いうえ、昼間は動けるわたしが彼の指示に従って買い物に行くことも多いため、ポイントカードを共有することを強いられる状況にある。


しかもメガネはつい先日、ポイントカード反対派のこのわたしに、



買い物に出て使い終わったら家財布(※生活費を入れている家族共有の財布)にカードを戻しておくように



と、更なる苦行を上乗せで課してきた。


わたしが自分の財布にカードを入れっぱなしにして家財布に戻すのを忘れていたせいでポイントを貯められなかったらしく、その無念さと悔しさとズボラな嫁への苛立ちが、「ちゃんと返す癖をつけて」というLINEでの短い一言からダダ漏れしていた。


それを読んだ瞬間のわたしの率直な気持ちは、



カードもろとも貴様も砕けろ



だった。




なぜこんなにもムカつくのかと自分でも不思議な程にとにかく腹が立って、その後しばらくは機嫌が戻らず、いつものように正面切って彼とコミュニケーションを取ることが出来なかった。

で、自分に潜って苛立ちの原因を探ってみたところ、


そもそもわたしはポイントカードが大嫌い、
貯めるのも面倒だし多少の得になったとしても「貯める」ことへの苦痛がデカ過ぎて喜べない、
それを持ち歩きレジで出すことすら鬱陶しいのに、加えて買い物の時は常に子連れ。

(しかも件のスーパーには、子どもを乗せられるショッピングカートがない)



イヤイヤ期真っ盛りなうえ好奇心とエネルギーの塊で、一発で言う事をきくことなど皆無、スーパーでも十中八九チョロチョロと動き回り一瞬たりとも目が離せない2歳児を連れての買い物を常としなければならないわたしと、身軽に一人で歩き回れる貴様とでは、「財布からカードを出しポイントを付けてもらってからまたしまう」というたったひと手間ですら



天と地ほどに煩わしさが違うんじゃい💢



という怒りが底にあった。


毎日子連れ、それが常のわたしの大変さ解ってる? 知ってる? しかもカードを財布に戻せって簡単に言うけどさ、帰って来たって子どもの手を洗ったり洋服脱がせたり買ってきたものしまったりおばさん猫にエサねだられたりトイレの始末したり、やること色々あるわけよ💢

わたしは人より生活能力が低く、この世を生き抜く主婦としてのキャパシティも小さい。
一方メガネは出来ること得意なことが多く、家の守り人としてのスペックはかなり高い。


それは承知の上で底辺から叫ばせてもらうと、




何でもかんでも自分と同じように出来ると思うなよ!わたしのスペックの低さナメんな!!!



と思った。



拗ねていても気分の悪さは続くので、怒りが鎮まり少し冷静になった数日後、夫婦会議のタイミングで想いをぶちまけた。

そしたらスッキリして、メガネの返答も


「それならしゃあないな。カードはもういいわ」


と、ポイントカードを無理やり持っていかなくて良い方向で落ち着いた。



スッキリ!



どうでもいいポイントカードの話で前置きが長くなったが、言いたいことは「ポイントカードを財布に戻そう」ではなく、


嫌なこと、無理なこと、負担になること、それをやって明らかに自分のポテンシャルが下がり機嫌が悪くなることには、

キッパリとNOを言うこと。

それから、相手を責めるニュアンスではなく「わたしはこう感じた」という事実を、ちゃんとパートナーに伝えること。


この二つ。



洗いざらい気持ちを伝えたことでスッキリし、更に「もうポイントを貯めなくていい」という爽やかな状況に変化したことにより自分の中にゆとりが生まれ、不思議なことに「余裕があったらカードを持って行ってポイントを貯めてもいいかな」という気になってもくる。

元来超絶ズボラなわたしに実際やれるかどうかはさておき、そうした余裕、ゆとりを持つことが何より重要だと思うのだ。


そして、大嫌いなポイントカードから解放されたこの爽快さと自由は間違いなく、わたし自身が「すべてをメガネに伝えて交渉する」という行動を起こして手に入れたものだ。



自由とは、決意と行動の果てにある。



我慢していては、
諦めていては、
膝を抱えて拗ねていては、

事は一向に動かないしストレスは溜まる一方だ。ポイントカードと違い、溜まりゆくストレスは数値化されず目にも見えない。


溜まり切ったストレスは買い物にも使えず、不意に爆発して自分と周囲を傷付けるだけだから、なるべく溜めずにその都度吐き出すに限る。


伝えることこそ円滑なパートナーシップの第一歩なので、どんな気持ちも溜めずにちゃんと伝えましょうぜ、奥さん。