実家にて、「エンカのチカラ SONG IS LOVE」というCDを聴いた。
名だたる演歌歌手の方々がポップスをカヴァーしているコンピレーションアルバムで、五木ひろしさん、都はるみさん、小林幸子さんなど、演歌ファンでなくとも誰もが知ってる大御所が、サザンやGLAY、ユーミンという、こちらも大物たちのヒットソングを歌ってるもの。
「誰が歌っているのか当ててみて」という父の要望に添い、スピーカーに耳を近付け、その声色から歌手の方を探り当てる。僅かにヒントを貰いつつも殆ど当てたんだが、大トリの「昴」(オリジナルは谷村新司さん)が始まって数秒、まだ誰かわからないこの時点で、
「わっ、この人、うまっ!」
と思わず声が出た。
知っている声ではあるものの、やはりその人の持ち歌じゃないためなかなかピンとは来なかったが、とにかく「抜群にうまい!!」ということだけはわかった。
勿論、その前の11曲を歌ってた方々も文句なしに上手くて、「流石だねぇ」と言いながら聴き惚れていたんだが、なんというかラストの方(女性)は、ちょっともう桁はずれな感じがした。
例えるなら、それまでの11人は惑星で、その人だけは恒星、太陽系で言う太陽。
それくらい、次元が違う凄さを感じた。
単にうまいとかではなく、魂ごと、ギュイーンと惹きつけられる磁力の強さが圧倒的で、強烈。
聴き続けるうちに、鳥肌が立ち、涙が出そうになった。
とにかく凄い…
比較にならないスケールの大きさ、
宇宙感…
一瞬天童よしみさんと迷ったけど、最終的には「こりゃもうあの人しかいない」と思い答えたら、当たってた。
誰もが認める歌謡界の女王、女帝、レジェンド。
そう、
美空ひばりさん。
失礼ながら、さしてご本人に興味のなかったひばりビギナーのわたしを、何の先入観も予備知識もナシに、単に「感覚」だけでここまでディープに惹きつけて魅了し、歌声一つで魂ごと震わせてゾワゾワさせるこの方ってどこまで凄いんだ!!!
って、おののいたしひれ伏したし感服の後脱帽&驚愕そして吐きそうなくらい尊敬したよね。


何が、って、
魂の望みを生き切った、自分自身とのズレの無さが。
うまい人、声が綺麗な人、それこそ魅力的な歌い手さんなんか星の数ほどいる。
その上で、圧倒的に強い光を放つ存在感はまさに唯一無二であり、単にスターだとかそういう話じゃないレベルで、軽く成層圏超えて地球の領域を飛び出す勢いで「歌に命を宿す力」がずば抜けている。
今まで美空ひばりさんの凄さを何一つ知らなかったけど、こんなにも、こんなにも凄いんだね…
体の奥に手を突っ込まれて魂を素手で鷲掴みにされた感覚
だったもん


ほんと今更なんだが。
あまりにも衝撃的だったから、特にオチもないんだけど一記事書いちゃったよ。
ひばりさんの凄さを、なぜこのタイミングで宇宙はわたしに見せてきたんだろうか…
良ければ皆さんも聴いてみて。
かなり昔のCDだと思うけど、「エンカのチカラ」、オススメですよ。
どうしよう。しばらくひばりショックから立ち直れそうにない。
