修了公演の歌唱指導のため、シンガーでダンサーで女優のsatsukiさんことさっちゃんに稽古場へ来てもらった。

彼女とは昨年、作・演出させてもらった男性二人の芝居ユニットで初対面。


その時彼女は制作をされていたんだが、会ったその日に「すきっ」と思った直感はやはり当たるもので、その後もワークショップに来てくれたり忘年会に来てくれたりしてお付き合いさせてもらってる。



今回、当て書きで新作を書き下ろしたものの、例年通り極めて中身の薄い芝居の最後に無理やりねじ込んだ某ミュージカルの某曲。

単にわたしがこの曲を好きなのと、何の身にもならない物語をなんとか感動的に終わらせる為の苦肉の策として入れ込んだだけなのだが、みんなに曲名を伝え、歌いたいかどうか多数決をとったところ、満場一致でみんなが「歌う」と言ったので、ならばここは頑張らねば、とさっちゃん先生をお呼びした。



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このかた。



「それっぽく仕上げる感じで大丈夫ですか?」との提案に即答でイエスを告げ、ソロを希望する子たちのみを前もってピックアップし、あとは全投げで任せ切る。

幸い、上手い子が何人かいたので彼らの歌唱力を頼りに、さっちゃんの楽しくも的確な指導により聴くに耐えなかった合唱が、わずか一時間で完璧にミュージカル風に仕上がった。


何より素晴らしいと思ったのが、みんなが楽しそうに練習してくれたこと。


これは間違いなくさっちゃんの手腕。ミュージカルとは程遠い日常を生きる生徒たちに、分かりやすく言葉を選びながら、なり切って歌うことの楽しさを伝えてくれて、彼らのモチベーションをどんどん高めてくれた。

隣で見ていて感動したし、見本として歌ってくれるその歌唱力が素晴らしくて、さっちゃんが積み上げてきた時間と、技術と、経験と自信。そのすべてを心から凄いと思ったし、こんな風に力を貸してもらえて本当にありがたかった。


生徒たちの上達が予想外だったので、芝居はさておき歌だけは頑張らせよう、と本末転倒なことを固く誓った一日だった。


さっちゃん、ありがとうございましたおねがい