妊娠してからいろんなことが変わった。
自分史の記録がてらの記事なので、妊婦事情に興味のない方は読み飛ばしてください。
嗅覚が犬並みに敏感になった、
猫を可愛いと思う気持ちが半減した、
甘い物がより一層欲しくなくなった、
無性に辛いものが食べたくなる、
あんなに好きだった珈琲の香りが苦手になった、
パセリ、三つ葉、生姜、ニンニク、など香りの強いものにえづく、
牛乳やココアが今までの半分くらいしか飲めない、
100%のオレンジジュースも半分でギブ、
市販のお菓子を食べたあとは妙な味が舌に残って気持ち悪くなる、
添加物や化学調味料に更に敏感になった、
砂糖が沢山入った清涼飲料水を飲むと頭痛がする、
常に体が重くて怠くて眠たい、
微熱続き、
涙もろさが異常、
外の世界に殆ど興味が持てない、
永遠にスウェットだけで生きていける気がする、
合成洗剤や柔軟剤の香りで吐き気がする、
他人の香水やタバコの匂いで吐き気がする、
シャンプーや整髪料の匂いもダメ、
排水口や生ゴミを見ただけでえづく、
梅干しナシには生きていけない、
電車が苦痛で仕方ない、
基本的にイライラしている、
など。
つわりの症状は人それぞれというけど、妊娠初期からふつうに満員電車とかで通勤してる人がいたとしたら尊敬が破裂してマジでひれ伏す。
今がそういう時期なだけかもしれないけど、とりあえず色々不便だし身体的に苦痛だし、お腹をさすりながら微笑して「ママの声、聴こえる？」的な幸せな妊婦の絵面とか、
南米かと思うくらい遠い。真裏。
だいたい眉間にシワ寄ってる。
ガニ股も酷くなったし、動くたびに「あー」とか「うー」とかおっさんみたいな声出るし、スッピンが度を超えて見た目がヤバすぎるし、1日のうちで睡眠時以外の殆どソファにいるし、最高の遠出がトイレとかだし、冬だしという甘えにかまけて同じ服をずっと着てるし、物欲死滅してるし、オシャレへの興味ゼロだし、まつエクにもネイルにも時間取る気ないし、お腹空いてもちょっと食べ過ぎても気持ち悪いし、
なんかね、もうね、
ただただ今この瞬間に自分が快適に過ごすことだけに全エネルギーを搾取されてる
状態。
申し訳ないけど、他人のこととか世間のこととかに回すエネルギーが余ってない。
例えるなら、猛烈な船酔いで気分が悪くなってる中、「お前のゲロが世界中の海を壊滅的に汚染させるぞ」と言われても、「そうですか、ごめん」と言いながらソッコー海にゲロ吐く、みたいな感じ。
超自己中。
先に謝っとくけど今のわたしめっちゃ自己中すわ、ごめん。
さらに言えばその自己中さを反省したり詫びる気持ちすら皆無。もうひたすら、わたしが快適であればそれでいい、っていう心持ち。
五感すべてが敏感になってるうえ、もう一つ面白いなと思うのが、理屈抜きにして体感と感覚で、
ニセモノと本物の違いがわかっちゃう
みたいなこと。
他人がわたしにつく嘘も、他人が他人についてる嘘も、他人がその人自身についてる嘘もわかる。ホントになんとなくなんだけど。
かと言ってそんな他人を批判するエネルギーなど今のわたしには1グラムも余ってないので、ただ淡々と「ああ、この人今本音言ってないなー」とか傍観して見てる。
とにかく内側に回すエネルギーでパツパツだから、他人をジャッジしないという意味では楽になった部分もある。
ただ、満員電車に乗ってる時だけは別。こんなこと書いたら反感食らいそうだけど包み隠さず本音を書くと、
マタニティマークに気づかないフリして席譲らねぇ奴らのきなみ砕けろ
って思うし（具合悪い方とかお年寄りは別）、
スマホやらゲームに夢中でマタニティマークに気付きもしない愚鈍な連中も真っ二つに割れろ
って思う。
妊婦がそんなに偉いの？
好きで妊娠したくせに何言ってんの？
みんな疲れてるし座りたいんだよ
一生懸命働いてきたんだよ
赤の他人の妊娠なんかどーでもいいよ
とか、マタニティマーク問題にまつわるよくある批判的意見に物申すとしたら、
お前らのそんな意見こちとら露ほども興味ねぇからとりあえず席だけ譲れ
って感じですかね。
すごい感じ悪いこと言ってるかもしれないけど、いやごめん、ほんとさ、嫌われようが軽蔑されようが何でもいいけどとにかく座らせてくれよと思うくらい立ってるのがキツいの。今は！！！長い人生で今だけは！！
そうするとまた「じゃあ電車乗るなよ」とか言う人がいるかもしれないけど、このご時世東京に住んでて、妊娠発覚から出産まで一度も電車に乗らずに済む人のパーセンテージ、ガクトとヨシキがサイゼリヤで打ち合わせしてる可能性くらい数字低いと思うよ。
みんな疲れてる。みんなストレスとかいろいろある。みんな座りたい。
わかるよ、わかるけどさ。
座ってる一列全員見事にスマホ触ってて誰一人顔を上げることなく妊婦の存在に気づかない、それぞれが抱えてる世界や小さな個人コミュニティの活性化や存続、または情報収集に必死で目の前で生きてる「生身の他人」に一切関心を向けない社会の寂寥感
が、わたしには震えるほど恐ろしいし、ムカつくというより悲しみがすごい。
わたしも妊娠してない時、スマホ触ってて目の前の妊婦さんやお年寄りが目に入らず、ふと顔を上げた時に気付いて慌てて立って席を譲ったこともある。
そういう時は「あー、しまった…もっとよく周りを見てれば良かった」と反省して、スマホに集中し過ぎないよう途中適度に顔を上げたり、スマホをしまって少し遠くまで目を向けて、妊婦さんやお年寄りがいないか探したりしてた。
それが偉いとかそうするべきだろとまでは勿論言わないけど、なんていうか、単純に、
厚意を向けて感謝されるのって自分がうれしくない？
わたしは自分が気持ち良いから、よっぽど疲れてたり具合が悪くて座ってたい時以外は、立ってることが辛そうな人たちに席を譲りたくなる。
妊娠も、子連れも、体調悪そうな人も、明らかに飲み過ぎの人も、お年寄りも、
お互いさまやん
って思うから。
一様にスマホをいじってる人たちが、優しさを持ち合わせた善人であろうこともわかってる。
ただ、
あと一歩の思いやり
をみんながたった一つ持つだけで、本当にこの世知辛い社会ってやつが、うんと幸せでみんなにとって生き易い場所になると思うのだ。
わたしじゃない妊婦さんに誰かが席を譲っているのを見ても気分は良くなるし、わたしよりお腹の大きい、見るからに辛そうな妊婦さんを見たら咄嗟に席を立つだろうし、つわりがなく元気な時なら、お年寄りや二日酔いでゲロゲロそうな人にも席を譲ってあげたい。
電車という小さな世界のなかでさえ、そういう些細な思いやりの交換や愛の渡し合いは可能なはずで、目の前の他人に無関心なまま、スマホの中で必死に構築するあなたの世界にどれほどの価値があるんですかと思ってしまう。
みんな自分がいちばんだし、自分が可愛いに決まってる。
それはお互い大前提のうえで、それでももう少しだけ手を伸ばして範囲を広げて、他者に思いやりを向ける余裕があればいいのにと思わずにはいられない。
元も子もない言い方になるが結局のところ、
他者を顧みたり思いやりを向ける余裕が全くないほどに、ストレスまみれだったりパツパツだったりする生活を自ら選んでいる人の謎めいた選択肢に疑問が募る。
それで幸せならいいんだけど、少なくとも幸せそうには見えないんだもん。
わたしも、他人とか社会に勝手に期待して勝手にムカついたり悲しくなってる時点で同じ穴のムジナなんですけどね。
反省はしないよ。今自己中なんで。
妊婦目線で感じるこういう疑問アレコレを、今後も書き殴りたいと思います。