脚本を書かせてもらった、薫さんと優一くんのユニットHARADAの通し稽古を見て来た。
色々あって、今回は演出の希さんがベースの構成を組んでくれて有り難かったものの、逆に限られたシチュエーションの中でどう面白さを出すかという点でかなり苦戦した。
ミュージカル界のプリンスとカリスマダンサーという実力派二人を生かしての「大人のコント」ということで、わたし自身も自分への期待値が高すぎて、そこにやりづらさを覚えたり…
なかなか筆が進まない中、前半の通し動画を送ってもらい、フツーに笑いながら見て、「あー、やっぱこの人たち、あんまりこっちが用意周到にネタを書き込まなくても大丈夫だわ」と思えて気が楽になった。
今日見た感想としては、
構成のシンプルさ故に、二人のカラフルな魅力が堪能できる
ってこと。
ダメ出しの一つもせず、フツーに見て面白くて爆笑した。
とはいえ純粋な芝居畑ではなく、ミュージカルやエンタメ系の舞台を数多くこなしてきた二人。
単純に「個性の強いプレーヤー」というよりは、振付や演出をしていることもあり、両者とも限りなくアーティストに近い。
わたしの持論だが、同じ実力派と言えども気質がプレーヤーかアーティストかでは全く違う。
アーティスト気質である、ということは、
それぞれに、打ち出したい世界観、得意とする見せ方を持っている人種である
ということだ。
例えば、
プレーヤーとしての素晴らしさが群を抜いている天才二人、阿部サダヲさんと大竹しのぶさんの二人芝居を作るのと、
アーティスト気質の強い天才二人、山田孝之さんと椎名林檎さんの二人芝居を作るのとでは、どちらが面白くなるかは別にして、後者の方が圧倒的に大変であることはお判り頂けるかと思う。
それぞれに独自の世界観を持つ二人を一つにまとめる、というのは至難の業だ。
言わば水と油のような二人を、一皿の上でまとめて調理する演出の希さんはさぞかし大変だったんじゃないかと思う。
それ故に、水分と油分がうまく絡み合った時のお料理は素晴らしく美味しくもなる。
二人が楽しんでノッてさえくれれば、きっと美味しい一皿を皆さまに提供出来るんじゃないかと思った。
そして改めて、薫さんの極上ダンスを至近距離で見て、積み上げられてきた時間に感動した。
上手い人の踊りは、とても軽やかで自由に見えるので、「わたしにもできそう」と一瞬思わせる。
が、当たり前だが時間をかけて鍛え上げられた基礎や技術があるからこそ、彼女の動きはとてもシンプルに見え、体の動きのひとつひとつが分かりやすく見えるだけの話なのだ。
同じ動きを、日頃ろくに運動さえしてないわたしがやってみたら、たちどころに筋肉を痛めて泣きを見るに違いない。
薫さんのダンスは勿論、優一くんの歌も然り、時間をかけて磨き上げられてきたものの重み、深みを垣間見て、単に笑わせるだけじゃない二人の本物感を改めて尊敬した。
本番が楽しみだなぁ

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