脳性まひと胎盤・へその緒 | へその緒のはなし

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「へその緒」を研究する産婦人科医のブログ。
かつては、みんながお世話になったはずである「へその緒」の神秘的なしくみと、その異常への挑戦を語る。

こんばんは。

この前の週末は、日本の周産期の最大の学会がありました。

そんななか、脳性まひが減少したかという、シンポジウムを依頼されました。実は、最近そのような研究もやっていますので、しばらくは、脳性まひについて書いていこうとおもいます。


脳性まひは、からだのまひを生涯おう病気です。


原因としては、妊娠中、分娩中、出生後の低酸素、感染などある程度関連性が言われているものもありますが、未だ半分は原因不明です。


日本で原因が疑われるもののなかでは、胎盤早期剥離、子宮破裂、臍帯脱出、臍帯の異常、感染などがあげられています。


低酸素がひとつの原因なんで、へその緒や胎盤の異常がおおいのがわかりますよね。


低酸素が長くつづけば、赤ちゃんは亡くなってしまいますが、ギリギリ助かった、蘇生で回復したなどの場合になるかもしれません。



しかし、すぐに症状が出るわけではありませんので、脳性まひになった場合、何の因果関係があってそうなったかを語るのは非常に困難なのです。


ですので、未だ産婦人科や小児科でも、議論がつきません。

また、世界の発生頻度をみてみても、医学や医療が急成長しているにもかかわらず、脳性まひが、手にとるように激減しておらず、その原因が、複雑多岐にわたるためであると考えられています。