こりゃ、前置胎盤じゃ!と思って診ていても、次のときに診たらケロッと前置胎盤でないことがある。ちょっと位置が変わったとかのレベルでなく
最初に経腟超音波の説明。
経腟超音波は、下から超音波でみてるので、写る画像はこんな感じに右上が母体の足側になります。
お産のとき、赤ちゃんは右上に向かって産まれる感じだということです。
で、全前置胎盤の写真はこんなんです。
どかっと、内子宮口にかかっていて動きそうにありません。
これは明らかな全前置胎盤です。週数がかわっても変わることはないでしょう。
話はもどって、もどきのはなし。
時には診断が難しいことがある。
子宮の下の方(下節)は、子宮内腔の容積が増え、圧が上がってくることで、閉じていた部分がパカッとひらくのです。
そのパカッと開く週数は人や状況によってまちまちだと思います。20週で済んでいるひともいればいない人も。開くか開かないかは、羊水の量だとか赤ちゃんのいる位置だとか、様々な要素が絡むのでしょうね。
まだ閉じているときに見てしまうとうっかり前置胎盤だと思ってしまうこともあるのです。
この写真は、丁度パカッと開くときの写真です
開く前の場所を子宮口だと思っちゃうと、前置胎盤に見えますが(左)、開きを考慮すると実は子宮口はもっと下で、前置胎盤ではないことが良く分かります(黒い羊水の部分が細く写っています(右)。そこも実は子宮腔内なのです。)
ちょっとプロ向けの説明ですが、頸管領域をよく確認することや、子宮底を押して子宮口に圧力をかけるようなpressure testをすると、この開大が明らかになることがあるので、参考にするといいと思います
しばらく学会に出かけます。コメントの返信など、遅れがちになると思いますが、よろしくおねがいします。
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