Anoter stories 4th season -9ページ目

Anoter stories 4th season

戀の結び目。私の部屋においで,,,

 

 

 

 

私の胸には循環器科を示すネームプレートがついている

 

暗く寝静まった病院内を歩き、何故か見回りを行っているのだが

 

本来、病院の先生は夜中に見回りに行くだろうか?

 

「カツカツ」と自分の靴音が鳴る。おかしい,,,。

 

私が知っている医者は院内では革靴は履いていないだろうに。

 

 

 

 

 

 

そうか、今夜だけは医者になっている訳か

 

 

 

 

 

 

 

エレベータのボタンを押しながら待つ

 

ドアが開くと同時に、仄かな甘いにおいが鼻腔を抜けていく

 

彼女だ

 

夢の中で脳に神経が繋がっていく

 

あぁ、彼女の首下のかおり

 

まちがい、人それぞれに識別できる指紋のように

 

そう、香りの指紋。

 

脳幹に届きオトコのスイッチが入る

 

導かれるように病室へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6人部屋の一番奥、窓側右のベッドにカーテンが

 

薄明かりを灯している

 

まわりに気がつかれないように、革靴を脱ぎ近寄って

 

そっとカーテンをあけた。

 

マスク姿で横になっていたけど、目元ですぐに分かったよ

 

 

 

 

 

 

そっとカーテンを閉めて、僕は白衣を脱いだ。

 

起きてる?

 

僕はそう声をかけた,,,,

 

 

 

 

 

 

 

つづく