高瀬隼子「犬のかたちをしているもの」(2020年)という文庫本を読了した。
芥川賞受賞作「おいしいごはんが食べられますように」以来、高瀬隼子作品は2冊目の読書となった。
どちらの本でも、人間の心の動き、機微などが繊細なタッチで描かれる。
ストーリーの構成というよりも、日常生活の中での、平凡で何気ないところへの配慮というか、細やかな気付き、女性ならではの視点が特徴的である。
こういう小説は人によって、それぞれ感想は如何様にも取れる。
単純な言葉が並ぶことで、却って全体の把握、そして記述が難しい。
有りそうでなかなか無い日常のこと。でも、特別におかしいとは思えない。
結局、小さい子供や小さな犬の存在を通じて、命の大切さ、また、健康で生きることの喜び、などが描かれていたのかなぁ、という気がしている。
全152ページ。