2月6日(火)
第4,188話
こんばんは
今日も素敵な1日を過ごされましたか?
まずは1杯、今日の疲れを癒してくださいませ
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新・感・動・作戦
2008年10月31日初版
今から15年くらい前の本を読みました。
九州レールレディ:奥村美幸著
過去に買っていた本を再読していて
その中に挟まっていた案内が気になって
Amazonで中古本をポチりとして
家に届いた瞬間に一気読みした
僕好みの1冊でした。
2016年10月25日に上場した会社です。
2008年といえばまだ非上場ですし
上場に向けて収益体系を改善したり
お客さま第一を考えて
D&S列車をどんどん走らせていた時代です。
九州新幹線も全線開通が2011年ですから
まだ、新八代〜鹿児島中央の間だけ
走っていた時代ですね。
ちなみにD&Sとはデザイン&ストーリー
デザインと物語のある列車で九州を楽しむ
そんな想いが込められています。
今日現在、走っているD&S列車は
以下の11列車になります。
1 ゆふいんの森 1989年3月11日
2 九州横断特急 2004年3月13日
3 SL人吉 2009年4月25日
4 海幸山幸 2009年10月10日
5 指宿のたまて箱 2011年3月12日
6 あそぼーい! 2011年6月4日
7 A列車で行こう 2011年10月8日
8 或る列車 2015年8月8日
9 かわせみ・やませみ 2017年3月4日
10 36ぷらす3 2020年10月16日
11 ふたつ星4047 2022年9月23日
※年月日は運行開始日
これ以外にも
「いざぶろう・しんぺい」「はやとの風」が
走っていましたが
「はやとの風」は「ふたつ星4047」へ改造され
「いざぶろう・しんぺい」は、2024年春に運行開始される予定の
久大本線特急「かんぱち・いちろく」へ改造されます。
僕はJR九州の「D&S列車」や
JR四国の「ものがたり列車」が大好きで
何度も何度も乗っているのですが
今回初めて
働いている人(正確には働いていた)の声が書かれた本を読み
色々と考えさせられました。
JR九州は旧国鉄時代からの脱却を図り
次々と革新的な列車を走らせてきました。
(JR北海道も然りですが少し性格が異なりますね)
初代社長、石井幸孝さん
2代目社長、田中浩二さん
3代目社長、石原進さん
4代目社長、唐池恒二さん
5代目社長 青柳俊彦さん
6代目社長 古宮洋二さん
それぞれに素晴らしいところがあ流と思うのですが
僕はどうしても2009年-2014年の間、社長を務められた
唐池恒二さんが印象に残ります。
2013年に運行を開始したクルーズトレイン「ななつ星in九州」も
唐池恒二さんと水戸岡鋭治さんのタッグで誕生しました。
ご講演を拝聴したり、著作を拝読したりして
まさに、今のJR九州の礎を造られたのでは?と
勝手に僕は思っているのですが
今回読了したこの本には
3代目社長、石原進さんの話が出てきます。
上場(2016年)に向けて
以下のような取り組みが書かれていました。
- 利用者、客、お客さん → 「お客さま」へ統一
- 5Sの徹底:整理・整頓・清掃・清潔・接遇
- 石原社長主導の「新・感・動・作戦」
- サービス改善の取り組みを社風まで高める
- サービス宣言
JR九州は、お客さま視点に立った心のこもったサービスにおいて、日本一を目指します。 - 行動憲章
① お客さま、数ある交通機関の中から、JR九州を選んでくださいまして、ありがとうございます。
② 私たちは、お客さまの声に耳を傾け、お客さまの身になって考え、お客さま満足を追及します。
③ 私たちは、つねにおもてなしの心と緊張感を持って、お客さまをお迎えします。
- 使命感(スローガン)
愛とeyeで伝えたいレディのまごころ、荷物にならないお土産です。 - 使命感(補足)
・愛する人をお迎えするような気持ちでお迎えしたい。
・愛する人を見つめるような優しい瞳で微笑みたい。
・愛する人の希望をかなえる素直な気持ちでお答えしたい。
・愛する人を呼びかけるような積極的な心でいたい。
・愛する人のいることを感謝できる人でいたい。
これらのお客さまに対する真心と誠意を、旅の1ページ、心にしまえるお土産としてお持ち帰りいただくこと。それがわたくしたち客室乗務員の願いであり、使命です。
お金に変えることのできない価値
荷物にならないお土産。
客室乗務員のサービスはお金に換算することはできない。
お金に変えることができないけれど、
だからこそ、そこにホスピタリティが息づいている。
私たちが追い求める真のサービスがそこにある。
そう信じている。
文中に著者の奥村さんの想い、客室乗務員の想いが綴られていました。
僕はまさに、この想いに共感し、D&S列車に乗っていたんです。
初めて乗ったのは「指宿のたまて箱」でした。
わずか1時間ほどの旅でしたが、本当に感動しました。
その後「いざぶろう・しんぺい」「はやとの風」
「かわせみ・やませみ」「九州横断特急」
「A列車で行こう」「SL人吉」「海幸山幸」に乗りましたが
どの列車に乗っても「お金で買えない価値」に
心震え、また乗りたい!と思ってわざわざ九州へ足を運びました。
ところが
2016年の株式上場に向けて風向きが変わり出します。
客室乗務員不要論と実際に不採算部門として
乗車停止して行った流れがあります。
2014年9月20日の東洋経済オンラインに
以下のような記事が載っています。
一部抜粋して記載すると
JR九州の客室乗務員は、航空会社のキャビンアテンダント(CA)を参考に設けられた。1987年の同社発足直後、博多─西鹿児島間を結ぶ在来線特急に導入され、現在は九州全域で250人が勤務する。
CAを参考にしただけあって、客室乗務員の役割は車内販売にとどまらない。観光列車であれば、沿線の観光案内や乗客に写真を撮ってあげたりもする。新幹線や特急列車の客室乗務員は、乗り換え案内や切符の確認、さらに終着駅で折り返しの時間が少ないときには清掃スタッフと一緒に車内の清掃も行う。
そして、車内販売をグループ会社に委託しているほかのJRと違い、JR九州では客室乗務員は本社採用(契約社員)である。「もし接客サービスをグループ会社に任せてしまったら、接客サービスはグループ会社の仕事だと本社の社員が誤解しかねない」(唐池氏)ためだ。
つまり、客室乗務員の存在はJR九州全体の接客サービスの向上に一役買っているのである。
JR九州にとって、魅力的な車両と客室乗務員のおもてなしは車の両輪であり、どちらが欠けても成り立たない。ソニックやかもめのユニークな外観を見てわかるとおり、特急列車であっても単なる移動手段の枠組みを超え、乗客に感動を与えようとしていることは明らかだ。こうした列車に客室乗務員が乗っていないと、せっかくの道中が味気ないものになってしまう。
一方で、JR九州にとっても、観光列車と比べ格段に利用者の多い都市間特急における接客サービスは、客室乗務員の根幹ともいえる。ここが失われると、おもてなし全体が揺らぎかねない。
車内販売や客室乗務員の廃止は、部分的に行うのであれば鉄道事業の収益改善に寄与するだろう。だが、その行き過ぎは、かえってJR九州の持ち味をそぐことになりかねない。
今、JR各社の客室乗務員はどうなっているのか?
日本の大動脈、東海道新幹線の車内販売は廃止され
山陽新幹線でも廃止が決定しています。
九州新幹線ではいち早く廃止され、北海道も同じく廃止されました。
将来的な人員不足と駅構内の販売店の充実が主な理由ですが
こういった車内サービスも含めて特急券を買う価値なのでは?と
思ってしまいます。
東海道新幹線の車内販売が廃止されてから
もう何回も東京を往復していますが
往路の新大阪で買うホットコーヒー
カップのコーヒーを持って改札を通る不便さに辟易としますし
復路の2時間半、東京駅で買ったハイボールが
どんどんぬるくなり、美味しさが半減するのにも辟易とします。
点と点の移動手段が鉄道ですが
点と点を繋ぐ「線」に彩りを加えるのが人だとも思うのです。
これは鉄道のことだけではなく
これからの仕事には「人」の重要性が増していく
僕はそう考えています。
人しかできないことに価値がある。
今一度、それを考えたい!!
そう思える1冊でした。