昨日に続いて、最近聞いたFMシアターでよかった作品をもう一つご紹介。

 

『冬の曳航』

NHK-FMシアター 2018年5月5日

(文化庁芸術祭優秀賞受賞につき再放送:初回放送は2017年1月14日)
作: 桑原亮子 音楽: 菅野由弘 演出: 真銅健嗣
出演: 山路和弘 小林勝也 本城雄太郎ほか

 

おすすめ度 80点

 

http://www.dailymotion.com/video/x58kvm7

 

相手が動物でも人でも、的を外したことがないという、弓の名人と言われた男が、念願の源頼朝へのお目通りが叶った。「では、あのシカを射抜いてみせよ」という頼朝にこたえ、男が勇んで弓を引き、矢を放とうとしたその瞬間、頼朝が叫んだ。「そのシカを、お前だと思え!」

 

矢はシカにかすりもしなかった。頼朝は静かに言った。「自らを殺せぬものに、武者はつとまらぬ。我が幕府には、わしのために死ねるものしかいらぬ」

 

男は出家して僧になり、十数年後、閉じ込められた舟に乗って浄土を目指す「補陀落渡海」に出るというドラマです。

 

テーマは、たぶん、「死んでもよい、死ぬのは怖くない、などと言っている間は、人は死んではいけない。死ぬのが怖くて仕方がなくなるまで、人は生きなければならない」

 

補陀落渡海については、浅見光彦シリーズ「熊野古道殺人事件」で私は知りました。