世界各国で2005年、風力発電などの新エネルギー開発に対して行われた投資総額は380億ドル(約4兆4000億円)で、前年比約27%の大幅増となったとの調査結果を、国連や各国の専門家約100人でつくる「再生可能エネルギー政策ネットワーク」(本部パリ)が7日までにまとめた。
原油高騰と地球温暖化対策の進展が背景になって、新エネ開発が大きなビジネスになっていることを示す。
日本は約20億ドル(約2300億円)で4位だが、他国に比べて伸び悩みが目立っていることも判明。
日本の政策の見直しを求める声が今後、強まりそうだ。
報告書によると、05年の新エネ関連事業への投資額は、ドイツと中国がともに約70億ドルでトップを分け合い、次いで米国の約35億ドル。
この結果、世界の新エネルギーの総発電容量は04年の1億6000万キロワットから1億8200万キロワットに増えた。
関係者によると、稼働率が異なるために単純比較はできないが、容量では世界の原子力発電の半分近くになるという。
国別では中国の4200万キロワットが最多で、ドイツと米国が2300万キロワットでこれに次いだ。
日本は海外向けの太陽電池生産設備への投資などが多い。
このため、国内の新エネの発電容量では600万キロワットと中国の7分の1にとどまり、700万キロワットに増えたインドに抜かれ6位。
1997年以来、トップを続けてきた太陽光発電の容量もドイツに抜かれ、2位に転落した。
また1年間に新たに建設された風力発電の容量は、ドイツの7分の1以下にとどまるなど伸び悩んでいる。
ただ報告書は「太陽電池生産は、世界で最も伸び率や利益が大きい産業の1つ」と分析。
この分野ではシャープや京セラ、三洋電機といった日本企業が欧米企業に差をつけていることに言及している。