葉タバコの収穫が終わった幡多郡大月町の芳ノ沢国営農地でこのほど、農家の青年らが「大月コスモスまつり」(10月14―29日)に向け、コスモスの種をまいた。過去2年は台風の塩害で枯れて祭りが中止となったため、農家らは「今年こそ満開に育てる」と張り切っている。
県内一の葉タバコ生産量を誇る同町。祭りは「日本一のコスモス畑」を合言葉に4年前からスタート。
約2000万本のコスモスを見ようと3年前には約3万人が訪れ、住民手作りの観光スポットとして定着し始めた。
ところが昨年、一昨年は、発芽直後に台風が襲い塩害で祭りは中止。
種代の回収もままならなかった。昨年は観光バス80台の予約が入っていたが、今年は20台に激減している。
その上、今年は葉タバコが不作。
収量が3割以上減った農家もあり、一部には「コスモスまつりはもう続けられないのではないか」という心配の声も上がっていた。
しかし、実行委(谷正史委員長)は「しんどい時こそ気持ちを一つにして踏ん張ろう」と継続を決定。
「もし台風で塩をかぶったら、夜通しかかってもホースで水をかけて塩を洗い流そう」という方針も固めた。
種まきには15人が参加。
広大な畑を4台のトラクターで耕し、約140キロの種をまいた。
国営農地は、近く本格稼働する「大月ウインドファーム」の風力発電の風車(12基)が見渡せる絶景のポイント。
10月中旬には風車とコスモスのコントラストが楽しめそうだ。入場料は300円。期間内に何度でも入場できるパスポート(500円)もある。