阿部夢子、現在松原靖樹さんの超コンサルタント養成講座受講中です。
徒然や課題本の感想を書いています。
野火 大岡昇平
課題本は「異なるジャンル、異なる小説家の本から30冊」というものもあります。
今回は初めてのジャンル、初めての作家ということで、この本。
選んだ理由は、家にあったから。笑
夫が、夫の叔母さんからもらった本ですね。
あらすじは、結核にかかって日本軍から見放された田村一等兵が、
芋数本だけを抱えてフィリピンのレイテ島を彷徨う話。
その中で島民を殺したり、自分の血を吸ったヒルまで食べたりするんですが、
中でも衝撃なのは「人肉を食べる」というもの。
主人公は葛藤の末、極限状態でも食べることはなかったのですが、
同じ日本軍の永松は、死んだ仲間はもちろん、
仲間を殺してまで食べようとしている。
そんな狂気に満ちた状況の描写、
戦争が美しい姿を変えてしまったレイテ島の惨状、
主人公の心の動き…
戦争に関わるそういう目を背けたくなるようなことが、
執拗に具体的に書かれている。
本当に、詳細に、描写されている。
それがね〜、私はいまいち読み込めない…。
理論的に本を読む癖が、抜けない。
小説は描写を読み込んで、想像して、入り込んで読む方法をとりたいのに。
結果を見ると、そういう読み方ができていないなと思う。
内容的には、今まで全く触れたことのないジャンルだったので、非常に刺激的でした。
読み方的には、ダメだな自分…と感じた一冊でした。
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