20歳のチベット僧が中国の弾圧に抗議の焼身自殺(2011年以降チベット本土で28人目) | チベットとビルマの難民支援 難民支援NGO"Dream for Children"公式ブログ

20歳のチベット僧が中国の弾圧に抗議の焼身自殺(2011年以降チベット本土で28人目)





3月16日、中国四川省でまたもチベット僧の体が炎に包まれた。また、青海省では、僧院の弾圧で身柄を拘束された僧侶50人の釈放を求め、チベット人千人以上が抗議活動を行った。


ロブサン・ツルトリム(20)は、中国のチベット統治に抗議するスローガンを叫びながら、炎に包まれた。場所は、四川省ンガバの郡の役所そばだという。インド在住の僧侶カンヤク・ツェリンとロブサン・イエシェが現地の声を伝えた。


「中国警察は、ロブサンを追いかけ、殴り倒し、身柄をトラックに乗せました。」


「ロブサンは連行される間も、拳を宙に突き出していました。」


ロブサンは、4人家族の長男で、8歳のときにキルティ僧院で僧侶となった。現在、キルティ僧院は中国治安部隊に封鎖されており、監視の目が強まっている。


ロブサンは、2009年2月以降、29人目の焼身自殺者となった。人々は、中国のチベット統治に異を唱え、ダライ・ラマのチベットへの帰還を求めていた。



チベット国旗


時を同じくして、青海省ゲパスムドでは、チベット人千人以上が声をあげていた。彼らは、前日にチベット国旗を掲げチベットの自由を求めて拘束された僧侶50人の釈放を求めていた。


「郡の建物にチベット人千人以上が集結しました。そして、拘束された僧侶の釈放を求めました。」

現地のチベット人はRFAにこう語った。


「彼らは平和的な抗議活動を続けました。群の建物は、警察と準武装部隊に包囲されました。」


「年配のチベット人が、『平和的な抗議活動を続け、暴力行為に出ないよう』諭したため、衝突はありませんでした。」


この抗議活動の原因となったのは、3月16日、バ・シャンテ僧院の僧侶150~200人がチベット国旗を掲げた後、中国治安部隊が僧院に弾圧を加えた事件である。


僧侶たちは、「チベットに自由を!」、「ダライ・ラマのチベットへの帰還を!」、「チベット人に人権を!」と書かれた横断幕を掲げ、通りを行進した。


「夕方になり、中国の車両40台が僧院に到着し、警察と準武装部隊が僧院を包囲しました。警察は僧侶の部屋を捜索し、僧侶約60人を拘束しました。」


「そのうち10人は釈放されましたが、50人は郡の留置所へ連行されました。」



警察


青海省ゲパスムドの中国警察は、チベット人の抗議活動が起きた事実を認めていない。


RFAが電話取材で千人規模の抗議活動が起きたのかと尋ねると、電話に出た人物は、「起きていない」と答えた。


抗議は学生によるものだったのかと尋ねると、その人物は電話を切った。


昨年はじめからチベット人居住地域では中国治安部隊による弾圧が続き、僧侶数百人が拘束されている。現地の状況は緊迫している。


3月14日には、青海省で学生数千人が抗議活動を行った。学校で使用される言語がチベット語から中国語に変更されることに抗議したのだ。


この抗議活動が起きたのは、レブコン、ツェコク、カンツァである。インドのダラムサラのチベット難民からの情報だ。


2010年10月にも、チベット人中等学校および小学校の学生が青海省の4つのチベット人自治州で声をあげた。このときも、学校で使用する言語をチベット語から中国語へ変更する決定に対する抗議であった。



記念日


今回の焼身自殺が起きたのは、3月10日のチベット人蜂起記念日から約1週間後のことであった。1959年3月10日には、ダライ・ラマが亡命を余儀なくされたチベット人の抗議活動が起きており、2008年の3月10日には、チベット全土に広がる抗議活動が起きていた。


著名なチベット人ブロガー、オーセルとチベット仏教の指導者アルジア・リンポチェは焼身自殺をやめるよう呼びかけている。2人は、中国の統治に異を唱える人々は、「生きて戦い、目的へ向かって進む」よう諭している。



【亀田浩史訳】

元の英文記事はこちら





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