午前は、ainia(食品農業研究センター)を視察しました。バレンシア州には、11の分野別の非営利研究所がありますが、今日訪れたのは、食品、化粧品、医療分野の研究施設です。この分野の研究施設としてはヨーロッパ最大とのことでした。企業が独自に研究開発する力は重要ですが、このような研究機関の必要性をあらためて感じました。日本企業の国際競争力を行政がどう支えていくかが重要な時代に入っています。

 

午後は、今回のバレンシア視察の最も重要なミッションであるバレンシア州政府を訪問しました。昨年7月に8年ぶりの政権交代が起こり、バレンシア州首相となったカルロス・マソン氏との会談を行いました。一見三重県知事からの親書を渡し、カルロス・マソン首相からは非常に好意的で前向きなお話をいただきました。詳細な中身は控えますが、商工イノベーション大臣、農業大臣も同席され、約1時間、大学生の人的交流、観光・産業交流など有意義な話となりました。

1992年、三重県とバレンシア州は姉妹提携を結んでいますが、30年が経ち、お互いにとっての利益となる新たな関係を築くためこれからも取組んでいきたいと思います。

 

その後、バレンシア州議会を訪問しました。残念ながらリャノス・マソ議長には会えませんでしたが、議長執務室で事務局長に、中森三重県議会議長からの親書をお渡ししました。州議会の歴史と現状を丁寧にご説明いただき、歴史ある議事堂を見学させていただきました。

バレンシア州議会は現在定数99名です。記録では1261年に最初の議会が開かれていますが、王族、貴族のみで構成され民主的なものではありませんでした。1707年アルマンサ戦争でバレンシア王国が敗れ、勝利したフェリペ5世はバレンシアから全ての自治と特権を奪い、それ以降、1982年まで議会はありませんでした。1982年から民主的な議会が始まり今日に至っています。

 

私たちが当たり前と思っている民主主義、議会は、バレンシア州の長い歴史の中でたった40年です。民主主義がいかに尊いか、王制や特定の人たちによる政治ではなく、選挙で代表を自分たちが選ぶことがいかに尊いか、あらためて感じました。また民主主義のもろさも感じ、私たち政治家が決して道を誤ってはいけないことも痛感しました。

 

今日は私にとって非常に重要な一日となりました。バレンシア州と三重県の繋がりが更に深まるようこれからも全力を尽くします。