三重県では、令和2年度から県立大学設置の検討に着手し、3年以上に渡り検討が重ねられました。この間、鈴木知事から一見知事に知事が交代した影響もありますが、令和3年度には、「県立大学の設置の是非を検討するための有識者会議」、令和5年度には、「県立大学設置の検討に係る有識者会議」と専門家による議論も長くかかりました。

 

これらの議論を踏まえて20日に全員協議会が開かれ、一見知事からは、「現時点において、県立大学設置を見送る」との表明が行われました。私からは3点質問をしました。一点目は苦言ですが、あまりにも議論に時間がかかり過ぎたこと。次に、当初の目的であった若者の県内定着を図るためという目的がそもそも間違っていたのではないかという点(私は、大学は若者の県内定着の手段ではないと考えます)。最後に、検討会の報告書も指摘しているように、少子化の中、私立大学など県内の高等教育機関が定員割れ等の危機もあり、その支援がむしろ重要ではないかという点です。

 

知事からは、県政の重要な課題であるため慎重に議論を進めたものの、時間がかかり過ぎたとのことでした。若者の県内定着の目的については、情勢変化や費用対効果を総合的に考えると県立大学設置ではなく、別の方策に注力する方がいいとのことで、地方都市での公立大学の役割や意義を否定するものではないとのことでした。また私立大学など高等教育機関への今後の支援の必要性も述べられました。

 

3年以上に渡る県立大学の議論が一定の結論がようやく出ました。この間に、四日市市では近鉄四日市駅からJR四日市駅のバスタを含む再開発プロジェクトの中、JR四日市駅周辺への大学誘致を市長が表明されました。これは7年前、私が四日市市長選挙に出馬した時に提案した政策の一つでもあり、今でも私はその必要性を感じています。

 

四日市市としては、県の県立大学設置に関する議論の行方を見守ってきましたが、見送りとの結論を受けて、四日市市としてどんな大学を設置したいのかなど議論を本格化していって欲しいと考えます。公立大学のあり方も含めて、県と四日市市が協議しながら進められるよう、私も微力ながら取組んで参りたいと考えます。