本会議にて一見新知事の所信表明が行われました。内容は20ページに及び県政全般が網羅されているものですが、一見知事らしさが出るのは彼が選んだことわざかなと思い、また比較的多くの格言を使われましたのでご紹介したいと思います。

 

ふるさと三重について、日本最古の正史「日本書紀」において、伊勢の国は「可怜国(うましくに)」とされたことから海、山、豊かな食材に恵まれた自然豊かで美しい地域だと引用されました。「うましくに」という言葉は野呂県政においても使われましたが、古来から本県を表す素晴らしい言葉です。

 

古代中国では、政治のことを「聴政」と呼び、明治新政府の基本政策である「五箇条の御誓文」には、「広く会議を興し、万機公論に決すべし」と掲げられたように、広く県民の声を聴く県政を推進していく考えを述べられました。

 

「信なくば立たず」、兵を去り、食をさることとなっても信をさることはできません。県民の信頼が最も大切だと述べられました。

 

二本松藩の「戒石銘」から「爾俸爾禄、民膏民脂。下民易虐、上天難欺(なんじのほうなんじのろくは、たみのこうたみのしなり。かみんしいたげやすきも、じょうてんあざむきがたし」という言葉を肝に銘じ、職員の士気に配慮し、仲間として県政運営を進めていきたいとのことでした。

 

新型コロナの脅威、人口減少の荒波が押し寄せる中、「太平洋の防波堤」となる覚悟を示されました。

 

海上保安庁で安全保障の最前線で仕事をされてきた経験がにじみ出るような、また強い信念を感じる部分もありましたが、全体的にはまじめで、そつのない所信表明であったように思います。来週からは、いよいよ代表質問、一般質問が始まり、一見知事と議会の論戦がスタートします。新たな県政の柱とする「みえ元気プラン(仮称)」、新型コロナからの復興、一丁目一番地と述べられた人づくり政策などいい議論をしたいと思います。