今日は連合三重新春旗びらきに出席させていただきました。例年たくさんの組合員の皆さんや来賓が参加しますが、今年は新型コロナ対策で、新政みえの県議は私が代表して出席のみとなりました。懇親会もなく、式典と、前グーグル日本法人名誉会長の村上憲郎氏のリモート講演のみとなりました。

吉川会長は年頭あいさつで法政大学小池和男氏の著書「企業統治改革の陥穽」について触れられ、社外取締役より労働組合を重視すべき、企業にとって本当に大切なのは現場の労働者の声である、労働組合がある企業の方が労働生産性は高いといったことを指摘されました。企業はアメリカ型経営を目指した時期もありましたが、日本型経営の良さが見直される時代に入ったのかもしれません。

 

村上さんの講演は、私が毎年開催している未来創造セミナーの講師として10年前にお越しいただき「グーグルとスマートグリット」をテーマにお話いただき、時代のスピードと未来を感じたことを記憶しておりますが、久しぶりにお話をお聞きしました。

 

モバイルインターネットは、スマートウォッチやスマートメガネ等のウエアラブルへ進化しており、今後身体にデバイスを埋め込むインプランタブルへそしてサイボーグへと進化するとのことです。現在、インプランタブルの先駆けとして、糖尿病の血糖値を涙を分析して測定するスマートコンタクトレンズが開発されています。

 

脳へのインプラントについては医者と技術者で意見の対立はありますが、米国では軍事目的で研究が進んでおり、兵隊の身体機能を補強するモビルスーツが研究されており、これは全身まひの人の自立歩行など様々な活用が考えられます。

 

Society5.0(超スマート社会)がやってきますが、物流の無人化やスマート工場、RPAなどによる雇用への影響を懸念する声もあります。今後、社会の急速な進化から生まれる雇用不安に対して、例えばベーシックインカムなどが政治的に争点となってくるのではないかとのことでした。

 

私はSociety5.0時代に生き残る業種とAI、ロボット等に変わる業種、あるいは必要な人材とそうでない人材といった内容の本は結構読みましたが、ハンナ・アーレント氏の「人間の条件」によると、人間には、Labor、Work、Actionといった活動力があり、LaborはAIに任せてもいいのではないかとの視点は非常に興味深く聞かせていただきました。

 

新型コロナを経験して、これから迎えるNew Normal時代について、地方のチャンスは、企業誘致からテレワークへ発想、政策転換、会社がどこにあってもいい時代のため地場産業のままでリモートを活用し全国企業、世界企業へ、サプライチェーンの全世界的再編への積極介入とのことでした。これもかなり深いお話です。

 

最後に台湾のIT担当大臣、オードリー・タン氏の著書「デジタルとAIの未来を語る」をご紹介いただきました。早速読みたいと思います。

 

1時間の講演でしたが、分かりにくい言葉を分かりやすくお話しいただき、未来のイメージを具体的に感じさせていただき、本当に中身が濃くいい勉強になりました。