本日も本県では、四日市市、菰野町、松阪市と3名の新型コロナウイルス感染者が発生しました。本県においても多くの方が危機感と不安を感じていることと思います。昨日今日と、悩ましい、重たい会議や相談が続きました。未知の戦いのため誰も答えを持っていませんが、歴史から学ぶ必要性を感じます。

 

人類の感染症との戦いは、差別、偏見との戦いの歴史であったといえます。かつて、ペストやコレラ、ハンセン病、天然痘、結核、エイズなど、多くの感染者は社会から不当な扱いを受け、差別や偏見に苦しめられてきました。新型コロナウイルスに関しても、どこどこの誰が感染したとか、様々なデマや、人を陥れるような、傷つけるような言葉が飛び交うようになってきています。感染者の家族は自分も濃厚接触者として感染しているかもしれないという恐怖と、世間からの攻撃に苦しんでいるケースも見られます。

 

新型コロナウイルスとの戦いで生活が急激に変化したことや経験がないことが起こっている不安などで、普通に今まで許せていたものが許せなくなったり、どこかに悪者や敵を作ろうとしたり、精神的に厳しい状況に追い込まれて、人の心が壊れていくことが起こり始めているように感じます。そういった状況の中で、無意識の内に差別や偏見が広がっていることに危機感を感じます。

 

感染者には誰がなってもおかしくない、あなたも私も感染者になるとの思いで、一呼吸おいて、言葉を発する、SNSに書き込むことをしていきたいものです。三重県では、これまで感染者の感染経路は特定出来ており濃厚接触者の経過観察はしっかりと行われており、ウイルスの封じ込めに全力を尽くし、一定の成果が上がっていると考えます。しかし、今後クラスターが発生する可能性もあることから、新たにクラスター対策グループを設置しました。仮に今後、急激に感染者が増えた場合においても昨日のブログにも書きましたように、感染症病床をしっかりと確保し、軽症者の施設の確保も進んでいます。

 

医療関係者や保健所の職員をはじめとする県職員や市町職員、関係者など、様々な所で、新型コロナウイルスとの戦いに勝つために全力を尽くしている人たちがいます。一人一人が、他者のことをどうこう言うのではなく、自分に何が出来るかを考えて行動できれば、差別や偏見との戦いにも勝利出来ると考えます。

 

三重県も20日には緊急事態措置を発令し、県民の皆さんの私権を制限し、移動自粛の要請や休業要請等を行うことになります。更に精神的にもつらい状況が続き、ストレスがたまる状況が続きますが、力を合わせてこの難局を乗り越えていきましょう。