昨日は、連合三重新春旗開きにて、慶應義塾大学の井出英策教授の講演を聞きました。テーマは「選択不能社会からの脱却」でした。私は井出教授のブログを読ませていただいており、その考え方にはこれまでも共感していました。初めて直接お話を聞かせていただきましたが、その迫力に圧倒され、また選択肢のない今の政治状況を作った政治家に対する怒りも感じました。

政治家は、増税を語ると必ず選挙に落ちます。財源論から逃げてあれもやります、これもやりますといった訴えになりがちで、あれもやめます、これもやめますと言うと選挙に落ちます。

 

税を取られるか、取られないかではなく、取られた税金を何のために誰のために使うかが重要との視点を国民は持つべきであるとの話は大いに共感しますが、選挙的には非常に難しいのが現実だと思います。「税」を語る政治家を選ぶ文化をつくっていく必要があると感じます。

 

日本は豊かな経済大国であると言われてきました。しかし現実は、世帯収入300万円未満が31%(400万円未満は45%)、2人以上世帯の3割、単身世帯の5割が貯蓄なしといった国になりました。このような家計で結婚して子どもを産み育てることを自己責任で行うことは非常に難しいといえるでしょう。

 

人口が減少し超高齢化社会がますます加速する日本は、新しい仕組みが求められています。「みんなで税を納めてその税ですべての人の生活を保障する」このことが新しい仕組みの基本であると感じます。井出先生が言われる医療、教育、介護、子育て、障害者福祉といったベーシックサービスを保障する「ライフセキュリテー」を重視する政治勢力が今日本には求められていると思います。

 

多くの示唆をいただきました。政治の重要性を感じます。