毎日のようにテレビでは、日本大学と関西学院大学のアメリカンフットボールの定期戦での日大選手の反則タックルの映像が流れています。昨日、反則タックルをした選手が陳述書を提出し、記者会見を開き詳細な経緯と自らの思いと心からの謝罪を語りました。20歳の若者がなぜここまで重いものを背負わなければならないのかと感じ悲しくなりました。

 

記者会見は非常に誠意が感じられました。日大は、指導者の指導と選手の受け取り方に乖離があったと主張していますが、この選手の記者会見を聞くと、あきらかに監督、コーチが反則タックルを指示し選手が思い悩んで実行した様子が伝わります。しかしこの会見後も日大広報部は、監督の指示に対し誤解があり言葉足らずで選手とのコミュニケーション不足とのメッセージを発表し、あくまで指導者からの指示はなく選手の受け止め方との間に乖離があったとの主張をしています。

 

私は、高校、大学時代とラグビーをやっていて、大学では同志社大学との定期戦があり立同戦を楽しみにしており、歴代大切にしてきていました。そのことを考えると、指導者が「定期戦が今後なくなっても構わないからQBをつぶせ」という発言は怪我をさせろとの意図以外に考えられず信じられない言葉です。また、「相手QBが怪我をしてシーズンに出られなかった方が得だ」といった発言はもはやスポーツではありません。

 

ラグビーもアメフトも怪我が付き物のスポーツです。私も恥ずかしながら大学時代は鎖骨を二回骨折しました。そのぐらい激しい厳しいスポーツだからこそルールが大切です。当然、ノーボールタックルの危険はすべての選手はよく理解しており、そのことを監督、コーチから執拗に求められた選手がどれほど悩んだか、そしてやってしまったことの重大さに苦しんでいるかは想像を超えます。ぜひマスコミの方には、記者会見で自分の言葉で語った反則タックルをした選手をそっとしておいてやってほしいと願います。

 

またこの日本大学アメリカンフットボール部の一連の対応と現状判断をみていると本当に廃部になってしまうのではないかと感じます。危機管理対応をこれ以上誤ると日大フェニックスの輝かしい歴史が終わってしまいます。