学校法人加計学園の国家戦略特区における獣医学部設置が認められた決定過程が、官邸の意向でゆがめられたのではと問題になっています。

 

そもそも愛媛県に獣医学部を新設することが国家戦略なのか?日本獣医師会が獣医師の数について不足していないと言っており文部科学省もこれまで獣医師の質確保のための学部の新設や定員増を認めないといっている中、今回50年ぶりに学部の新設が認められたことの説明がしっかり果たされたのか?仮に獣医師会という抵抗勢力による岩盤規制を突破する必要があったとしてもなぜ加計学園なのか?医学部がある大学に獣医学部を新設する方がメリットが大きいのではないか?

 

私なりに多くの疑問はあるものの、国会審議の中で詳細は把握していませんが政府はそれなりの答弁をしてきていることと思います。今回、文部科学省内の内部資料や前川前事務次官の会見により、この決定過程において「総理の意向」「官邸の意向」がはたらいたとの指摘がされています。

 

マスコミ報道やSNS上での議論を見ていると、安倍首相と加計学園理事長が親友であることから政府の政策決定が恣意的に歪められた可能性が高まり問題であるというものや、官邸主導で行っている国家戦略特区だから官邸の意向が働いていたとしてもなんら問題ないといったものがあります。

 

重要なことは安倍総理自らが今年3月の国会で「(この件で)働きかけて決めているなら、私、責任を取りますよ」と発言し関与を否定し、「国会で実名や学校の名前を出して責任を取れるのか」などと質問者に感情的に反論していることです。

 

仮に、前川前事務次官の会見内容が正しかった場合、日本の民主主義は危機的な状況であると感じます。この前川前事務次官に対しする個人攻撃も相当激しくなっています。

 

私は以前ジャーナリストの方から、政治家の下半身の話は報道することを避けるべきであるとの話を聞きました。田中角栄氏までの政治報道にはそのような考え方があったが最近は完全に崩れているというものでした。

 

前川前事務次官は政治家ではありませんが、重要な立場にいた人が重要なことを発言する場合、下半身の話を混ぜることで矮小化されたり全然違った議論になる違和感を感じています。

 

様々な情報が入り乱れていますが、日本の未来に責任を持つ政治家や官僚が真実を語っていただくことを望みます。