混戦の韓国大統領選挙が投開票され結果は、「共に民主党」の文在寅氏が、「自由韓国党」の洪準杓氏、「国民の党」の安哲秀氏らに圧勝しました。10年続いた保守系政権から革新系政権への政権交代が起こりましたが、韓国では歴史的に10年ごとに保革の政権交代が起きています。

 

韓国の大統領選挙では日本に対して批判的な発言が国民に支持される傾向が強いということもありますが、特に文在寅氏は日本に対して厳しく、北朝鮮に対して融和的であると言われており今後大統領としてどのような方向で政策を進めるのか注目されます。

 

日本の国益を考えた時に、特に定期的に政権交代が起こる国に対しては、政権党とは政府や与党の外交になりますが、野党に対して日本の野党が議員外交でネットワークを構築していく必要があると考えます。民進党の政治家の中に文在寅氏とのネットワークがこれまであるのかどうかも今後注目していきたいと思います。

 

また、一昨年末に両国政府の間で合意された慰安婦問題の日韓合意について反故にするような話も出ていますが、外交において、「最終的かつ不可逆的」な解決とされたことが蒸し返されるようでは大きな問題と考えます。朝鮮半島情勢が不安定な中、文在寅大統領の賢明な冷静な判断を望みます。

 

我が国にとって、米国との関係は最も重要です。それと共に隣国である中国、韓国との関係も重要です。中国の習近平国家主席や韓国の朴槿恵前大統領と日本政府の関係は最近あまりしっくりいっていないように感じますが、韓国に新大統領誕生を機会に東アジア戦略において深みのある日本外交を期待したいと思います。