朝鮮半島情勢が緊迫しています。北朝鮮のミサイル技術の向上や核開発の進捗をみると第二次朝鮮戦争が勃発した時の我が国の被害は非常に大きくなると危惧されます。

 

先週本屋で、山崎豊子さんの遺作「約束の海」の文庫本が目に留まりました。発売された時に読んだ記憶はありましたが、何となく購入しあらためて読みました。

この「約束の海」は山崎豊子氏のご逝去により未完となりましたが、戦争の時代に生きた著者が書かなければいけないとの使命感から書き始めたもので、私たちは読まなければいけないと感じます。もし彼女が生きていたら今我が国がおかれている現状をみて第二部、第三部をどのように描いたか見てみたかったと思います。

 

戦後70年続いた平和な時代から大きく時代が変わろうとしています。我が国の「戦争をしないための軍隊」はその存在を否定する人たちや戦前回帰の人たちといった両極端な人たちの間でバランスを崩しかねない状況になっています。

 

北朝鮮にとんでもない指導者がいて、米国にもよくわからない指導者が誕生しました。韓国は無政府状態と言っては言い過ぎですが、政治的に混乱しています。第二次朝鮮戦争前夜の空気を感じる中、我が国の政権が安定していることはせめてもの救いだと思っています。日本の指導者が冷静に、冷静にこの難局に対峙することを祈ります。

 

山崎豊子氏は、日本海、東シナ海における戦争の火種となる事態を想定し、武力ではなく、先の戦争の英霊が今も多く眠っている海を鎮魂の海として静かに守ることができるかを模索されていました。

 

戦後、平和な時代が続いているのは、平和を唱えていたからではなく、その時代時代で政治のかじ取りが間違っていなかったからだと思います。無責任な威勢のいい言葉や激しい言葉を耳にしますが、政治が冷静に慎重に道を誤らないことを祈ります。