現在、わが国には、教育勅語については歴史的な経緯から、復活論を含めて尊ぶ人と、軍国主義の色が強いと嫌悪感を持つ人の両極端の人たちがいます。教育勅語は井上毅氏が「王言の体」を目指したため言葉づかいは難しく曖昧であるため、戦前だけでも300種類以上の注釈書が刊行されています。

その中でも下記の12の徳目については、今の時代に合わない箇所も少しありますが(12項目目)、現実的で、私は私たちに必要な徳目であると考えます。

 

1.親に孝養をつくしましょう(孝行)

2.兄弟・姉妹は仲良くしましょう(友愛)

3.夫婦はいつも仲むつまじくしましょう(夫婦の和)

4.友だちはお互いに信じあって付き合いましょう(朋友の信)

5.自分の言動をつつしみましょう(謙遜)

6.広く全ての人に愛の手をさしのべましょう(博愛)

7.勉学に励み職業を身につけましょう(修業習学)

8.知識を養い才能を伸ばしましょう(知能啓発)

9.人格の向上につとめましょう(徳器成就)

10.広く世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう(公益世務)

11.法律や規則を守り社会の秩序に従いましょう(遵法)

12.正しい勇気をもって国のため真心を尽くしましょう(義勇)

 

最近、学校法人森友学園の問題が国会で議論されております。幼稚園で教育勅語を暗唱させたりすることなどについてSNS上を見ると問題であるという声と、どこが問題なのかとの両極端な意見が見られます。

 

私は、私学は建学の精神にのっとり独自の教育を行うものであり、上記に書きました教育勅語の徳目を教える私学があっても問題ないと考えます。しかし今回の問題は、その学校法人の籠池理事長が、国会での安倍首相の答弁を聞いている限り、安倍首相の名前を勝手に使って寄附を集めたり、ごみ処理において廃掃法に反する処理をしたり、公金の概念が欠如し、外国人を一方的に嫌うなど、遵法精神、博愛、公益世務などの教育勅語の徳目に欠けた人物であり、単なる差別主義者であるということです。

 

私は、保守の名のもとにこのような差別主義者が増長することを危惧しています。この学校法人森友学園に関するSNS上の声を見ていると、極端な差別主義者や極端な反権力主義者の声が混ざってきます。私たちはこの極端な声にそれぞれ流されないよう冷静な目が必要と感じています。

 

この機会に皆さんぜひ教育勅語を読んでみませんか?