今年も残すところ後わずかになりました。2016年(平成28年)を振り返り新しい年に向かって様々なことを考えます。先日の中日新聞に英国のオックスフォード大学が今年の言葉として「POST TRUTH」(ポスト真実)を選んだと報道されていました。「客観的な事実や真実が重視されない時代」の意味で、ウソでも人々を扇動し、あるいは人々が扇動されてしまう政治文化の風潮を示す言葉だということです。

 

6月の英国の国民投票によるEU離脱や11月の米国大統領選挙におけるトランプ氏の勝利など多くの人の予想を覆す結果は、現状を変えたいとの国民一人一人の熱い思いの表れです。しかしその意思決定には、英国のEU離脱派が「英国はEUに毎週3億50万ポンド(176億円)拠出している」と虚偽のスローガンを流布したり、米国大統領選挙では、「オバマ大統領が過激派組織イスラム国(IS)をつくった」とのデマが流され、これらの虚偽やデマはインターネットで急速に広がる時代のため伝わっていくうちに真実に変わり大きな影響を与えていることを私たちは考えなければいけないと思います。

 

今年が、「ポスト真実」の時代に突入した節目の年で、私たちがその危険性に気付かず、むしろ選挙においても戦術として使われ「ポスト真実」の時代が今後更に加速していくことに私は大きな危機感を感じています。

 

私は今年四日市市長選挙を命がけで戦い、英国や米国と比較は出来ませんが、日本においても「ポスト真実」の危機感を感じました。多くの方のご支援に応えられなかった敗戦の傷も大きいものが心にはありますが、それよりも「ポスト真実」の時代がさらに加速していくもやもや感と危機感が心に大きく残っています。

 

選挙だけではなく今年を振り返ると、リオ五輪では本県出身の霊長類最強と言われた女子レスリングの吉田沙保里選手が破れたり、私たち世代にとっては青春時代から大きな影響を受けてきたSMAPが解散することになったりと一つの時代が終わり新しい時代が始まる年だったのかもしれません。

 

私自身にとっても来年からは新しい人生が始まります。人生の後半戦のスタートの年を迎えるにあたり、不惑の歳なのに様々なことに迷い悩みながらですがじっくり考えたいと思います。